2022年6月10日

オンライン資格確認導入義務化方針に抗議

 愛知県保険医協会は、骨太の方針2022で閣議決定したオンライン資格確認システム導入義務化の方針に対して、理事長名の抗議声明を首相・総務相・厚労相・デジタル担当相あてに送付しました。以下、全文を紹介します。
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 厚生労働省は5月25日に開催された社会保障審議会医療保険部会で、オンライン資格確認について2023年4月から保険医療機関・薬局におけるシステム導入を原則義務化する方針を提案した。さらに、2024年度中を目途に保険者による保険証発行の選択制を導入し、将来的には廃止を目指すとした。政府はこの方針を「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に盛り込む方向だ。
 政府は2022年度末までに全国民にマイナンバーカードが行き渡る目標を掲げ、「マイナポイント」を付与するなど誘導策を講じている。しかし、取得率は5月1日時点で44.0%に過ぎない。マイナンバーカードの取得は任意だが、保険証が廃止となれば事実上の義務化となり問題だ。
 またオンライン資格確認についても2022年度末までにほぼ全ての医療機関が導入する目標を掲げ、初期投資の補助金や「電子的保健医療情報活用加算」を新設した。しかし、運用施設は全体で19.3%(診療所は13.2%、5月22日現在)にとどまっており、マイナンバーカードによる資格確認の利用件数はわずか0.5%で活用されていない。療養担当規則に明記することで導入の加速化を進めることは、拙速であまりにも乱暴である。
 普及が進まない背景には、国による情報の一元管理と漏えいへの不安と、政府への不信感にある。そもそも政府はオンライン資格確認システムを基盤に収集した医療のビッグデータを民間利用に結びつけ、個人の行動変容を図り医療費の抑制を狙っている。個人情報を大規模に集める手段がマイナンバー制度の利用拡大とマイナンバーカードの普及だ。当会はマイナンバー制度に反対している。
 オンライン資格確認システム導入義務化と保険証廃止は、保険証1枚で必要な医療を、いつでもどこでも、どの医療機関にも受診することができる国民皆保険制度を否定するものだ。対応できない医療機関を廃業に追い込み、患者の医療アクセスを阻害する危険性がある。また、患者の医療情報やプライバシーを軽視した愚策と言わざるをえない。
 当会は、オンライン資格確認システム導入義務化と保険証廃止の方針に対し強く抗議し、撤回を求める。

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