愛知県保険医協会は、「新型コロナウイルス感染症対策に関する緊急要望書」を10月28日付で首相・厚労相宛に送信しました。
政府が10月13日の「新型コロナ・インフル同時流行対策タスクフォース」で示した「新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に備えた対応」では、重症化リスクの低い患者が検査キットによる自己検査で新型コロナ陰性となった場合でインフルエンザの罹患が疑われる場合は、対面診療だけでなく電話・オンライン診療を行う事が例示されている。しかし、電話・オンライン診療では他の疾患による発熱等の症状が見過ごされる危険性があることから、基本的には対面診療を原則とすべきである。そのために、発熱外来の整備を格段に増やし病床・職員確保のための財政措置も必要である。発熱患者への対応は一般外来でも対応していることから、診療報酬の引き上げも必要である。
厚労省の事務連絡10月26日付「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取り扱いについて(その79)では、「二類感染症患者入院診療加算(250点)」に関しては診療・検査医療機関の「対応時間が10月13日時点の公表時間と比べ、1週間あたり30分以上拡充している場合」「1週間に8枠以上確保している場合」などの要件が設けられ、これまで懸命に対応してきた医療機関のモチベーションを著しく削ぐ内容となっている。このような取り扱いは撤回し、新たな条件をつけずに従前と同様に算定できるようにすべきである。
また、この様な対応方法が示される問題の根本には、「効率化」の名の下に進められてきた医療費抑制策・病床削減計画があることは明白であり、その見直しは急務である。
当会は国民の命と健康を守るために以下の事項について実現を強く求める。
記
1.国民の命と健康、生活を守るのは国の責任であることから、予防からコロナ後遺症の対応まで、必要な医療の確保及び財政措置は国の責任で行うこと。
2.「新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に備えた対応」については、対面診療を原則とすることを明記すること。
3.発熱などの体調不良時に備えて購入する検査キットや解熱鎮痛剤の費用は公費適用とすること。
4.新型コロナウイルス感染症疑い患者に対する「二類感染症患者入院診療加算(250点)」及び新型コロナ感染症患者(自宅療養患者)であってリスクの高い患者に対する「電話等による診療(147点)」については、新たな条件をつけずに11月以降も引き続き算定することを認めること。
5.急性期病床を中心とする病床削減計画を直ちに中止すること。地域医療構想を前提とした医師・看護師需給計画を抜本的に見直すこと。