後期高齢者医療における窓口負担二割化に伴う配慮措置(以下「配慮措置」)に係る事務処理などについて、厚生労働省から9月15日付で事務連絡が発出されたので内容を紹介する。
保険医新聞9月15日号3面および25日号「歯科のページ」で既報の通り、10月1日以降、一定所得以上の後期高齢患者の窓口負担が一割から2割に引き上げられる。外来患者については、同月・同一医療機関で支払う窓口負担の「増加額」を最大3,000円に収めるよう、3年間時限的に「配慮措置」が設けられた。
1カ月の窓口負担の上限を「1割負担+3,000円」とするもので、金額は【6,000円+(医療費―30,000円)×0.1】で計算される。レセコンを使用する医療機関ではソフトの書換えで対応できるが、手書きレセの医療機関では、受診の都度、当月に支払いを受けた窓口負担金額を遡って確認し、計算しなければならない。
今回の通知では、「手書きで診療報酬請求書等を作成する医療機関等に限り、…配慮措置の現物給付を行わないこととして差し支えない」とされている。同月の請求が3,000点を超えた場合でも、「配慮措置」の計算を行わず、窓口で2割の一部負担金額を徴収してもよい。その場合、「配慮措置」との差額は後日、高額療養費として患者の指定口座に振り込まれる。
ただし、この取り扱いを行うには、別掲のリーフレットを院内に掲示し、患者に周知が必要となる。また、診療報酬請求の際には、請求書およびレセプト双方の上部余白に「2割」と朱書きすること、通常の高額療養費の上限に達した場合は、現物給付を行う必要があることに注意が必要である。
なお、対象は「手書き」レセの医療機関であり、レセコンを使用して「紙レセ」で請求している医療機関は対象とはならない。
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手書きレセ医療機関の事務負担軽減ともとれるが、患者が複数の医療機関に受診している場合、窓口での対応の違いを医療機関が説明しなければならず、負担軽減となるかは疑問である。
※下図が院内掲示のリーフレット(こちらからダウンロードできます)