健保だより 10月1日以降の変更点等(2022年10月5日号)

1.新型コロナの全数届出の見直し後も公費の取扱いに変更はありません
 9月26日から新型コロナの全数届出が見直されたが、発生届の提出が求められない患者も含めて、公費負担の取扱いに変更はない。

2.9月末までの新型コロナに係る臨時的取扱いが10月31日まで延長
 新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的取扱いについて、9月30日まで算定が認められていた以下の点数は、10月31日(月)まで延長された。算定要件に変更はない。
〔1〕新型コロナ疑い患者に対して対面診療を行った場合に算定する「二類感染症患者入院診療加算」(250点)[請求コード 113033650]
〔2〕新型コロナ陽性で重症化リスクの高い患者に電話等で診療を行った場合に算定する「電話等による診療」(147点)[請求コード 113044550]

3.SARS-CoV-2・RSウイルス抗原同時検出(定性)が保険適用(9月1日)
 検査料の点数の取扱いについて通知が発出され、SARS-CoV-2・RSウイルス抗原同時検出(定性)が9月1日から保険請求が可能となった。
 【D012 感染症免疫学的検査】
SARS-CoV-2・RSウイルス抗原同時検出(定性) 420点

〔1〕SARS-CoV-2抗原及びRSウイルス抗原の検出を目的として薬事承認された検査キットを用いて、COVID-19の患者であることが疑われる者に対しCOVID-19の診断を目的として行った場合に算定する。ただし、積極的疫学調査を目的として実施した場合は算定できない。
〔2〕本検査は、診断の確定までの間に1回に限り算定する。ただし、発症後、本検査の結果が陰性であったものの、COVID-19以外の診断がつかない場合は、さらに1回に限り算定できる。
なお、本検査が必要と判断した医学的根拠をレセプトの「摘要」欄に記載する。
〔3〕本検査を実施した場合、「23」RSウイルス抗原定性、SARS-CoV-2抗原検出(定量)は、別に算定できない。

4.高血圧治療用アプリの保険適用(9月1日)
 9月1日から、高血圧治療用アプリが保険適用となり、アプリを使用し総合的な指導及び治療管理を行った場合、高血圧症治療補助プログラム加算として、以下の通り算定することとされた。
〔1〕再診料・地域包括診療加算、地域包括診療料、生活習慣病管理料の「2 高血圧を主病とする場合」を算定する患者(入院患者を除く)のうち、高血圧症に係る治療管理を実施している患者をこれまでに治療している医療機関又は、地域の医療機関と連携する、関連学会が認定した高血圧症診療に係る専門施設である医療機関において算定する。施設基準等の届出は必要ない。
〔2〕成人の本態性高血圧症の治療補助を目的として薬事承認されたアプリを使用し高血圧症に関する総合的な指導及び治療管理を行った場合に、以下の点数を算定する。
・アプリによる治療開始時に、B100「プログラム医療機器等医学管理加算」(140点)を準用して初回に限り算定する。
・C150「血糖自己測定器加算」の「月60回以上測定する場合」(830点)を準用して、初回の使用日の属する月から起算して6カ月を限度として、初回を含めて月1回に限り算定する。
〔3〕前回算定日から、平均して7日間のうち5日以上血圧値がアプリに入力されている場合にのみ算定できる。ただし、初回の算定でアプリ使用実績を有しない場合は、この限りでない。
〔4〕アプリの使用に当たっては、関連学会の策定するガイドライン及び適正使用指針を遵守する。

5.後期高齢者の窓口負担2割化(配慮措置)に伴う取扱いについて
10月1日から、後期高齢者の一定所得者について窓口負担の2割化と配慮措置の実施に伴い、請求事務について以下の取扱いが示された。
〔1〕窓口負担割合が2割である患者が、後期高齢者医療特定疾病療養受領証(長)を提示した場合、自己負担額(2割相当分)が1万円以下である場合においても、レセプトの特記事項欄に「02長」と記載することとされた。
〔2〕手書きでレセプト等を作成している医療機関については、やむを得ない場合は、配慮措置にかかわらず2割で徴収して差し支えないこととされた。この場合、配慮措置となる負担額との差額は、高額療養費として後日患者に払い戻される。
 なお、診療報酬請求書及びレセプトの上部余白に、「2割」と朱書きする。また、患者に対して配慮措置を行わない旨を院内掲示等により表示する。

ページ
トップ