決議
今年4月の診療報酬改定は、実質4回連続のマイナス改定となった。このような中、新型コロナウイルス感染拡大や消費税増税などを背景に、雇用の悪化や収入減が一層進み、国民生活は悪化している。そのため、医療機関への受診抑制は長期化し、医療機関の経営は危機に瀕している。政府は、患者・国民に必要な受診を促すなど政策対応を図るとともに、国民皆保険制度下での医療を維持、発展させていくために、すべての医療機関に対して概算請求などの具体的な減収補填策を講じるべきである。
菅政権は「自助・共助・公助」をうたい、75歳以上の窓口2割負担化や受診時定額負担、市販品類似医薬品の保険外し、要介護1・2の保険外しなどを計画している。
私たちは、社会保障を守ることと平和と民主主義を守ることを一体の課題として位置づけ、次の各項目の実現を求める。
記
- 新型コロナウイルス感染症による受診控えから生じた減収への補填を行うとともに、医療提供体制の確保及び保健所機能の充実、検査体制の拡充などの公衆衛生体制の確保に努めること。
- 社会保障は国の責任で拡充すること。75歳以上原則2割負担化など新たな患者負担増計画は中止し、窓口負担を大幅に軽減すること。
- 医療費総枠を拡大し、診療報酬の不合理を是正し大幅に引き上げること。安易なオンライン診療の拡大は行わないこと。
- 消費税は当面5%に引き下げ、医療には「ゼロ税率」を適用すること。
- 温室効果ガスを削減すると同時に、原発ゼロを早期に実現し、再生可能エネルギー政策への転換を進めること。
- 平和憲法を守ること。沖縄・普天間基地の即時撤去と辺野古への新基地建設反対。日米地位協定は抜本的に見直すこと。政府は核兵器禁止条約に署名・批准すること。
以上、決議する。
2020年11月29日 愛知県保険医協会2020年度第2回評議員会