2022年12月1日

オンライン資格確認義務化問題やコロナ対策などで保険医協会が評議員会決議

愛知県保険医協会は、11月27日の2022年度第2回評議員会で以下の決議を採択しました。
全文を紹介します。

岸田政権の発足から一年で明らかになったのは、社会保障制度の改悪・税制改革・雇用の規制緩和を柱とする新自由主義を引き継ぎ、防衛費大幅増・社会保障費の削減を推し進める姿勢である。7月の参議院選挙で自民党は防衛費2倍を公約としたが、防衛費の大幅増を実行しようとすれば、消費税の大増税か、社会保障・教育などの大幅削減をもたらすことは明らかである。
新型コロナウイルス感染症第6波、第7波では深刻な医療崩壊が起きたが、今後インフルエンザとの同時流行が懸念される中で、医療体制強化の具体策は検討されていない。
また、政府は物価高で苦しむ国民を一顧だにせず10月から75歳以上窓口負担2割化を実施した。12月にはさらなる負担増計画をまとめるとしており、2024年度の介護保険制度改定とあわせて国民の負担増に向けた議論を進めている。
厚労省は、9月5日、2023年4月からオンライン資格確認システムの導入を原則義務付ける療養担当規則改正の省令を告示した。負担とリスクを一方的に医療機関に押し付ける「義務化」に、多くの医療機関が疑問を持っている。さらに、10月13日、河野デジタル担当大臣は、健康保険証を2024年秋にも廃止すると表明した。国民皆保険制度の我が国で、健康保険証をマイナンバーカードと一体化するのは、全国民にマイナンバーカード取得を強制するのに等しく、取得を任意と定めたマイナンバー法とも矛盾する。
我々医師・歯科医師は、国民のいのちと健康を守り、医療・社会保障の充実、地域医療体制の確立、平和で不安なく暮らせる社会を築くため、次の各項目の実現を求める。
 記
一、オンライン資格確認システム導入義務化、健康保険証の廃止方針を撤回すること。
一、新たな患者負担増計画は撤回し、窓口負担を大幅に軽減すること。
一、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行に備え、医療提供体制の確保及び保健所機能の充実、検査の拡充などの公衆衛生体制の確保に努めること。
一、物価高騰や新型コロナウイルス感染症による医療機関の減収に対して補填を行うこと。
一、保険でより良い歯科医療を実現すること。歯科鋳造用金銀パラジウムの市場価格変動に対して、代替材料の保険導入など抜本改善をすること。
一、消費税は5%に減税すること。医療にはゼロ税率を適用し、控除対象外消費税負担を解消すること。
一、温暖化対策に逆行する化石燃料依存などをやめ、再生可能エネルギーを拡大し、原発は新増設・再稼働・運転延長をやめ、ゼロにすること。
一、平和憲法を守ること。沖縄・普天間基地の即時撤去と辺野古への新基地建設反対。日米地位協定は抜本的に見直すこと。政府は核兵器禁止条約に署名・批准すること。

 以上、決議する。

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