(愛知保険医新聞2020年10月15日号)
新型コロナ感染症が沈静化しない中、今年も秋恒例の愛知自治体キャラバン要請行動が10月20日(火)より29日(木)にわたって行われる。このキャラバンは、愛知県保険医協会も加盟する愛知社会保障推進協議会などでつくる実行委員会が主催し、県内全ての市町村を訪問し、医療・福祉・介護などの社会保障の拡充をめざし、しかるべき要請と、国や県への意見書の提出を求める。名古屋市・愛知県は別日程で、それぞれ11月2日(月)、25日(水)に行われる。
長年に渡る継続的な取り組みにより様々な社会保障制度の改善に貢献してきた。とりわけ子ども医療費助成制度は入院・通院とも中学校卒業まで窓口負担無料の自治体はほぼ全市町村に達している。入院については18歳年度末までを対象とする市町村が26自治体と県内の約半数に達しており、昨年キャラバン時(16自治体)から見ても大きく前進している。
任意予防接種助成制度も子どものインフルエンザワクチンやおたふくかぜワクチン助成をはじめとして大きく前進してきた。昨年まで実施を求めてきたロタウイルスワクチンについては、国が10月から定期接種の対象とするなど大きな成果を得ている。
また国保においては愛知県内で圧倒的に発行数・発行率が高かった名古屋市が11月以降資格証明書発行を停止することを決めた。県内で資格証明書を発行している他の自治体に与える影響も大きく、画期的な成果と言える。
新たに発足した菅内閣は、ことさら“自助”を強調し、「全世代型社会保障検討会議」の中間報告に基づいて引き続き社会保障抑制路線をすすめ、今後さらに国民の医療・介護の負担増をすすめようとしている。
こうした状況の中で今年もキャラバンにおいて「福祉医療制度〈子ども・高齢者の医療費助成制度など〉の存続・拡充」や、「国民健康保険や介護保険の制度改善」、「子育て支援」、「予防接種助成、健診・検診制度の充実」などを重点項目として懇談し、要請する予定である。
今年のキャラバン要請行動はまだ沈静化しない新型コロナ禍の下で、参加制限も予想されるが、地域医療を支える医師・歯科医師の先生方の参加は要請を行う上で力となり、また他団体のキャラバン参加者を勇気づけるものとなるので、多くの先生方の参加・協力をお願いしたい。