2024年3月28日

オンライン請求 4月からの義務化は撤回を 

(愛知保険医新聞2024年3月25日号)

厚労省は、昨年11月末の省令で、保険医療機関が診療報酬を請求する方法を、原則としてオンライン請求に限定した。今年4月1日以降は、オンライン請求義務化が強行される。現行の健康保険証を12月に廃止する方針の関係で、オンライン資格確認は、12月までの経過措置はあるが、オンライン請求に移行が求められる光ディスクで請求している医療機関は、愛知県内で医科229件(4.5%)、歯科1,841件(49.4%)と、依然として歯科で移行できていない医療機関の割合が全国平均より多い(昨年12月31日現在、支払基金統計)。事実、昨年4月に保険医協会が実施した「オンライン請求『義務化』に関するアンケート」では、回答者の25%が「義務化されると廃業せざるを得ない」と回答していた。また、紙レセによる請求を行っている医療機関も、医科79件(1.6%)、歯科204件(5.5%)ある。
保険医協会のアンケートでは「1年余りとの期限を区切っての義務化は見合わせるべき」「義務化(強制)はすべきではない」などの声が寄せられている。
この間、マイナ保険証によるオンライン資格確認のトラブルが社会問題化する中で、オンライン請求義務化を進める道理はない。
かつて、2009年の「オンライン請求義務化撤回訴訟」の提訴により、厚労省は省令改正によりオンライン請求義務化を撤回した経緯がある。医療機関等に対し、請求方法の選択の自由を認めた事実を重く受け止めるべきである。
今年6月の診療報酬改定でも、オンライン資格確認や電子処方箋、電子カルテの体制やオンライン請求を前提とした「医療DX推進体制整備加算」の新設など、ただでさえ少ない財源を医療DXにつぎ込んでいる。その一方で、処方箋料や薬剤情報提供料等の汎用点数を引き下げた。このようなオンライン請求義務化やオンライン資格確認推進ありきの事態は、地域医療に混乱を持ち込み、医療機関の経営を窮地に追い込むことになる。
「今まで長年地域医療に貢献した人が取り残されていく」(上記協会アンケート)ようなことを避けるためにも、4月からのオンライン請求義務化は撤回すべきである。そして、光ディスクで請求を行っている医療機関に、改めて猶予届出などを提出させることはやめるよう求めたい。

ページ
トップ