1.介護保険事業所の人員、設備及び運営に関する基準等
1月25日に公布された省令「人員、設備及び運営に関する基準等」の改定により、全ての事業所において、下記(1)から(5)が義務付けられた。
(1)感染症の発生及びまん延等に関する取り組みを徹底するために委員会の開催、指針の策定、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施。(3年間の経過措置有り)
(2)災害が発生した場合であっても、必要な介護サービスが継続的に提供できる体制を構築するため、事業継続に向けた計画等(BCP)の策定、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施。(3年間の経過措置有り)
(3)利用者の人権の擁護・虐待の防止等、虐待の発生又はその再発を防止するための委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者の設置。(3年間の経過措置有り)
(4)ハラスメント(セクハラ、パワハラ等)防止対策
職場において行われる性的な言動又は優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより就業環境が害されることを防止するための方針の明確化等。
(5)認知症介護基礎研修の受講(無資格者がいない訪問系サービス(訪問入浴介護は対象)、福祉用具、居宅介護支援を除く)
介護に直接携わる職員のうち、医療・福祉関係の資格を有さない者について、認知症介護に係る基礎的な研修を受講させるために必要な措置を講じる。(3年間の経過措置有り)
2.CHASE(チェイス)・VISIT(ビジット)情報の提出・活用
2021(令和3)年度から本格的な運用が始まる介護保険の新たなデータベースをCHASEと言い、通所サービス、施設サービス、居住サービス、多機能サービスにおいて、全ての利用者の情報(ADL、栄養、口腔、認知症等に関する基本的な情報)を厚生労働省に蓄積し、フィードバックするシステムであり、個別機能訓練加算や口腔衛生管理加算、栄養マネジメントにおいてデータ提出とフィードバックの活用を評価している。
一方、VISITは、リハビリテーションに関する情報で、通所・訪問リハビリテーション計画書等の情報を収集するものであり、2018(平成30)年度改定でVISITへのデータ提出とフィードバックを受けることを評価するリハビリマネジメント加算(Ⅳ)が設定された。
2021(令和3)年介護報酬改定では、科学的介護推進体制加算、リハビリテーションマネジメント加算(A)ロ・(B)ロ、老健施設のリハビリテーションマネジメント計画書情報加算、介護医療院の理学療法、作業療法、言語聴覚療法の加算、認知症対応型通所介護の個別指導管理加算(Ⅱ)などの要件に、厚生労働省へのCHASE・VISIT情報の提出・活用が盛り込まれた。
また、個別機能訓練加算(Ⅱ)、口腔衛生管理加算(Ⅱ)、口腔機能向上加算(Ⅱ)、ADL維持等加算、自立支援促進加算、褥瘡マネジメント加算、排せつ支援加算、介護医療院の薬剤管理指導等の要件に、厚生労働省へのCHASE情報の提出・活用が盛り込まれた。
2021年3月6日