改正道路交通法(3月12日施行)への対応
改正道路交通法が3月12日から施行となった。
今次改正で、75歳以上高齢者については、免許更新時の認知機能検査及び特定の違反行為をした時の臨時認知機能検査が義務付けられ、「認知症のおそれがある(第1分類)」とされた場合は臨時適性検査を受けるか医師の診断書を提出することが必要になった。提出を怠ると免許取消又は免許停止となる。
このため、医療機関に診断書の交付を求めて該当者が来院することが考えらえるので留意点を紹介する。
1.認知症診断が義務付けられる者
(1)運転免許の更新時の年齢が75歳以上で、かつ更新手続きのために受ける「認知機能検査」で「認知症のおそれがある(第1分類)」とされた者。
認知機能検査は高齢者講習の前に行われる(自動車学校で実施)。
(2)75歳以上で「認知機能が低下した時におこしやすい違反行為」(18項目)をし、「臨時認知機能検査」の結果「認知症のおそれがある(第1分類)」とされた者。
臨時認知機能検査は臨時高齢者講習の前に行われる(通知に記載された場所で実施)。
2.診断書の提出期限等
「診断書提出命令書」が対象者に送付される。受け取った者は指定された提出期限(命令書に記載:概ね3カ月)までに医師の診断を受け、診断書を提出しなければならない。なお、医療機関の予約の都合等で期限内に提出できない場合は対象者がその旨を公安委員会に申告する。
3.臨時適性検査を受けるか医師の診断書を提出する
(1)臨時適性検査は愛知県公安委員会が指定した医師が行う。
(2)医師の診断書は「認知症に関し専門的な知識を有する医師」又は「認知症に係る主治医」が交付する。
診断書は所定の様式を該当者が持参する。認知機能検査・神経心理学的検査や画像診断(CT、MRI、SPECT等)の結果をもとに診断することになっている。
診断書作成のための診察、検査等は保険診療として取り扱うこととされている。文書料は別途請求することができる。
診断書記載ガイドラインが示されている(WEB上で公表)ので参照されたい。
4.留意点
(1)認知症の診断が難しいと判断される場合は専門医に紹介する。
(2)認知症の治療中の患者が運転免許を所持していることがわかった場合、任意通報制度により医師は公安委員会に対して届け出ることができる。関係学会から届出のガイドラインが示されている(WEB上で公表)。