勤務医の待遇改善と医師増員求め要望~協会勤務医の会

愛知保険医新聞2025年3月25日号掲載

協会勤務医の会では、昨年「勤務医の働き方実態調査アンケート」を実施し、103件の回答が寄せられた。
今回の調査では、医師の働き方改革によって時間外労働や休日の日数、給与の変化を聞いたが、「変わらない」との回答がいずれも多く、待遇改善の実感につながっていないことが分かった。
また、日直や宿直で患者対応が「頻回にある」「患者対応がときどきある」が回答者の9割近くを占め、宿直で「充分な睡眠がとれないことが多い」「いつも充分な睡眠がとれない」との回答も4割を超えた。日直や宿直が負担になっていることが明らかになった。宿日直やオンコール、自己研鑽、サービス残業など労働時間としてみなされない勤務に矛盾を感じる声が多く寄せられた。
「80時間を超える時間外労働をおこなっているが80時間までの申請とせざるを得ない」という声のように時間外労働の上限を超えないよう申請をしている実態が明らかになった。医療の将来を担う若手医師からは「自己研鑽で働く時間が増えただけ」「偽りの申告を強いられることに虚無感を感じる同世代医師は多い」という声が寄せられた。
アンケートを受けて、勤務医の会では2月27日付で「勤務医の待遇改善と医師増員を求める要望書」を国に提出した。国の責任で「宿日直許可」の実態や勤務医の労働実態を把握すること、長時間労働を前提とした医師の需給予測を改め医師の増員をはかること、医師が子育て・介護でキャリアを中断せず働き続けられるよう労働環境の改善をはかること、診療報酬引き上げなど医療費の総枠拡大で医療機関の経営と勤務医の待遇改善をはかり「医療の質」を担保することなどを求めた。

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