2018年8月26日

医療人が戦争反対の声上げよう

瑞穂区 早川 純午
中学時代に薄暗い部屋の中で、おぞましい人体実験(多分731部隊)の写真を見て、侵略戦争での医療が気になっていた。大学時代は「医学連」の取り組みで、ちょうど開設された防衛医科大学校について、そもそも健康な人たちがいる自衛隊になぜ医学部を作ったのかという疑問があり、その大学校の授業内容や意味について所沢の人々と調査、論議してきた。さらに、731部隊は森村誠一氏の「悪魔の飽食」が出版されて大きな話題になった。
ベトナム戦争では、アメリカ国内の医師をほとんど戦争に駆り出し、国内医療を埋めるため世界中の医師を集めた。ここでの教訓は、軍隊を指揮する医師が不足したことだったようだ。
つまり、自衛隊を将来軍隊化するために、戦争を遂行するための医師を育成する必要があり、国立大学法に関係ない防衛医科大学校として特別な医学校を作ったと思われる。その目的は「医師である幹部自衛官」をつくることである(さすがに、「自衛隊の保健・医療水準の維持向上に資することを目的とし」とされているが)。このため戦前と同じ、訓練課程=軍事訓練があり、国家公務員の身分で卒業後九年間自衛隊で働いた後、一般の医師として働くことになる。しかし、招集がかかれば、出かけなければいけない。医師国家試験も、大学校だが特別に受けられ医師になる事ができる。看護学校もある。定員年80人で1979年卒からなので既に3100人以上が医師として働いている。
安倍政権は、医療は後方部隊であって、安全で戦闘には関係ないと言う。しかし、元来「軍陣医学」と言う範疇があるくらい戦争の一部門であり、兵隊にとって医療の支えがなければ戦闘は行えない。さらに、731部隊や現在の細菌化学兵器(禁止のはずだ)が使用されており、医学が兵器を生み出し同時にその兵器に打ち勝つ手段を作り出すことなど、医学が関与しない戦争はない。
自衛隊の誕生以後、憲法との矛盾を解釈ですすめ、国民にその存在を認めさせるさまざまな取り組みを進めてきた。災害派遣では、今やなくてはならない存在であり、多くの自衛隊員も災害救援行動で、その存在意義に確信を持っていると思う。この国民の感情を利用して自衛隊を憲法上認めさせ軍隊とし、戦争をする「普通の国」にしようと、自民・公明・維新などによる改憲勢力が国会の3分の2を占める今こそ、改憲を行おうとしている。
国民の健康的な生活、人生を守るため、その最も対立する戦争に反対するために、彼ら以上の大きな声を全ての医療人が挙げていこうではありませんか!

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