中谷雄二氏が医師九条の会で講演
「あいち医師・歯科医師九条の会」と保険医協会は、第26回の憲法のつどいを7月22日(日)の午後、協会伏見会議室で開き、医師や市民ら39人が参加した。「どうなる憲法、どうする憲法~改憲を許さないために、今何をするべきか」をテーマに、中谷雄二氏(弁護士・名古屋共同法律事務所)が、改憲の動きの現状と発議をさせないため今どのような行動が必要か話した。
安倍首相の改憲スケジュールは、森友・加計問題、公文書の隠匿・改竄問題と相継ぐ不祥事により、通常国会での改憲発議をとの目論見が大きく外れることになった。統一地方選挙や新天皇即位などの日程を考えると、年内発議は難しくなっているが、安倍政権への批判が薄れれば予断を許さない状況に変わりはない。
3月の自民党大会で、改憲実現へのハードルを下げるため、9条2項は変えず、自衛隊を加憲する改正素案をまとめた。しかし、ここで合憲とされるのは、集団的自衛権行使が容認され、海外で戦争をする実力組織としての自衛隊である。交戦時には基本的人権は制約を受け、公共の福祉の概念も大きく変更され、現行憲法の本質を改変することになる。合わせて示された緊急事態条項も、ナチスがワイマール憲法の下で独裁国家を形成した手法と同じく、民主主義とは相いれないものである。
安倍首相は日本を戦争する国とするため、秘密保護法、集団的自衛権行使容認、戦争法制定と国民の批判を顧みず着々と実現しており、在任中の改憲を諦めていない。この流れを止めるために3000万署名が取り組まれているが、何より求められるのは、対話により安倍改憲の本質と問題点を伝え、反対の輪を広げていくことだと結んだ。