2022年5月17日

9条改憲派のアキレス腱は徴兵制にあり

中区 野垣 敬
厳しい世界情勢を受けて、9条改憲を迫る勢力が強くなっている。しかし改憲派が口にしようとはしない(したくない)ことは徴兵制である。
もし改憲され、自衛隊の海外派兵が実現されたとしよう。当然戦闘行為が発生し死者も出る。そうなったときに自衛隊の志願者が激減することは火を見るより明らかである。
少々の経済誘導ではとても追いつかない。ゆえに徴兵制(徴兵忌避は厳罰)を取らない限り軍隊として成り立たなくなる。
さらにもう1点、現行法では自衛官は任意除隊できる。極端に言えば戦地に派遣された時でも除隊できる。これは軍を維持する側から見れば「敵前逃亡」にほかならない。これを許せば戦える軍隊にはならない。したがって第2次大戦前のごとく、「敵前逃亡」は重罪にする必然がある。
しかし現行の刑法ではそんな規定はない。そのために出てくるのが刑法体系と別の「軍法」であり、裁くのも裁判所ではなく「軍法会議」が登場してくるだろう。9条改憲を許すか許さないかは、軍法の支配する世の中を認めるか否かが問われることである。
最後に付け加えれば徴兵の対象は20歳の男子だけではない。世界の趨勢は女性兵士も増えており、中高年でも兵士になれる。気が付けばあなたが徴兵の対象になりうる、決して他人事ではない。
改憲反対の署名を進めるために、ぜひ「徴兵制」と言うアキレス腱を話題にしていこう。

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