新型コロナウイルス感染症に関する特例等について、協会に寄せられた質問の疑義および8月30日発出の疑義解釈(その56)の一部について紹介する。
院内トリアージ実施料(特例)
Q1.外来対応医療機関として、院内トリアージ実施料(特例)300点を算定している医療機関において、8月31日で特例が廃止され、算定できなくなったのか。
A1.院内トリアージ実施料(特例)300点は引き続き算定でき、算定期限は現状では定められていない。ただし、8月末まで経過措置で「患者を限定しない形」に移行する時期を院内掲示することで算定していた医療機関も、9月1日以降、患者を限定せず受け入れている体制を必ずとることが要件とされている。
Q2.院内トリアージ実施料(特例)を9月1日以降に算定する場合、患者を限定しない要件について、具体的にどのような対応が必要になるか。
A2.県ホームページに掲載されている外来対応医療機関の内容について、「かかりつけの患者に対する診療・検査に限る」等が入っている医療機関においては、管轄の保健所を通じて県感染症対策課に届出内容の変更申請が必要である。
Q3.問2について9月1日以降も、かかりつけ患者に限定した感染防止対策を行う場合、どの点数項目で算定するのか。
A3.要件を満たしていない場合は、院内トリアージ実施料(特例)300点を算定せず、特定疾患療養管理料(100床未満の病院)(特例)147点を算定する。
投薬に関する取扱い
Q4.新型コロナ治療薬は、全額補助公費の対象であるが、院外処方する場合に処方箋料も公費負担の対象となるのか。また、レセプトの記載について注意すべき点はあるのか。
A4.薬剤料のみが全額補助公費の対象であり、処方箋料等の技術料は公費対象外である。したがって、医療機関では公費負担者番号や受給者番号等、公費に係るレセプトの記載は不要である。
Q5.全額補助公費の対象になる新型コロナ治療薬や中和抗体薬の投薬・注射にあたり、患者からの同意書は必要か。
A5.9月1日現在、同意書の取扱いについて、ゾコーバ錠のみ必要となっている。ただし、同意書が不要であっても、各薬剤の使用上の注意点を確認の上、禁忌や副反応等の説明等、状況に応じて文書が必要。(例:ラゲブリオカプセルにおいて妊娠の可能性がある患者への事前チェックリスト等)
入院の一部補助公費を用いた請求
Q6.同一月に他の疾患での入院と新型コロナの治療による入院が混在している場合、高額療養費の負担限度額は、新型コロナによる入院時の一部補助の公費を適用した上限までの徴収でよいか。
A6.他の疾患での入院費用と分けて計算する必要があり、他の疾患での入院費用は、公費対象外分として別途徴収が必要になる。したがって、例えば1カ月間、連続で入院している場合、通常の高額療養費と患者負担は同額になる。
疑義解釈(その56)
Q7.区分番号「D005」血液形態・機能検査「9」ヘモグロビンA1c(HbA1c)及び「D288」糖負荷試験について、妊娠糖尿病と診断された患者に対して産後12週以降に実施した場合、算定可能か。
A7.血糖測定等により医学的に糖尿病が疑われる場合、算定できる。