愛知県保険医協会は、9月9日付で「直ちに臨時国会を開き、重要課題の審議を求める」理事長声明を、岸田首相あて送信しました。
コロナ感染第7波の拡大状況は依然として収まらず、コロナ関連死は8月に過去最多という状況にある。9月末で期限の切れる診療報酬特例や交付金などの延長、発熱外来をはじめとした地域医療体制への支援の強化は焦眉の課題である。また、物価高騰への対策や、相次いで明らかになる旧統一教会と閣僚らの癒着、世論調査では「反対」が多い安倍元首相の国葬など、国会で審議が急がれる重要課題が山積している。
野党は8月18日、憲法53条に基づき臨時国会の早期召集を求めたが、政府は召集に応じようとしていない。憲法53条は「いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と定めている。この規定は、国会が行政監視機能を十分果たすことができるように設けられており、政府が国民と国会への説明責任を果たさない姿勢を続けることは許されない。自民党自身が2012年にまとめた改憲草案に「要求があった日から20日以内に臨時国会が召集されなければならない」と明記しており、政府自民党が召集を拒否する理由はない。
8月10日には、岸田首相は内閣改造と党役員人事を行ったが、新閣僚の所信表明もされないまま、国政の指揮を執ることは許されない。
法的根拠がない安倍元首相の国葬についても、その費用を16億円余りと発表したが、実際には数十億円に膨れるとの報道もあり、予算のあり方を含めて国葬実施の是非を徹底的に審議することは欠かせない。
首相は「国民の声を聞く」「丁寧に説明を続ける」と常に発言しているが言葉だけにしてはならない。
山積する課題を議論するためには閉会中審査では不十分である。私たちは、国民の暮らしや健康に関わる重要課題全般について、国会を開いて一刻も早く審議することを求める。