2022年7月20日

深刻な物価高騰 すべての医療機関に対する財政措置等を求める

 食材料費や光熱水費の高騰が医療機関の経営に影響を及ぼしています。愛知県保険医協会は、7月4日、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」等を活用し、医療機関を対象とした感染防止対策の経費や光熱水費等の高騰に対する支援策を求め、愛知県知事と愛知県内の全市町村長宛てに「すべての医療機関に対する財政措置等を求める要望書」を提出しました。以下、全文を紹介します。

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2022年7月4日

愛知県知事 様
愛知県内市町村長 様

愛知県保険医協会
理事長 荻野高敏

すべての医療機関に対する財政措置等を求める要望書

 貴職におかれましては、住民の健康増進、地域医療の確保のために尽力しておられることに敬意を表します。
 愛知県保険医協会は、愛知県の医科開業医の8割、歯科開業医の6割にあたる9,150人の医師・歯科医師が加入し、患者・国民の命と健康、国民皆保険制度を守るために活動しています。
 医療機関は、患者と医療従事者の新型コロナウイルスの感染防止に最大の注意を払いながら、日常診療を続けています。当会が2022年3月(2月診療分)に行った会員アンケート調査(回答数:714件)では、6割超の医療機関が2020年2月診療分(新型コロナウイルス感染症の影響がでる前)と比べ外来患者数が減少したと回答し、いまだ感染拡大前の水準には回復していません。感染防止対策に関わる経費増に加え、光熱水費をはじめ原油高や物価高騰の影響は、市民生活、市民の生業のみならず、医療機関も直撃しており、補助金の創設を求める意見が多く寄せられました。
 ご承知の通り、厚生労働省医政局は6月7日に事務連絡「令和4年度における新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の取り扱い及びコロナ禍における『原油価格・物価高騰等総合緊急対策』について」を都道府県に発出しています。内容は、食材料費の値上げや光熱水費の高騰に対して、「医療機関も、地方自治体の判断で、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用ができる」というものです。
 新型コロナウイルス感染症への対応による経費増や患者の受診控えによる収入減、診療報酬のマイナス改定などで、地域医療を支える医療機関の経営基盤は脆弱です。また、診療報酬はいわゆる公定価格のため、他の事業者と異なり価格転嫁できません。地域の医療機関の日常診療が立ち行かなくなれば、患者や地域住民への医療提供、健康の確保に影響を及ぼします。
 すべての医療機関に対する独自の財政支援策の創設を求め、下記事項について要望いたします。

1.新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等を活用し、医療機関を対象にした感染防止対策の経費や光熱水費等の高騰に対する支援策を講じてください。

以上

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