2006年3月15日

世界に誇る九条を後世に

あいち医師・歯科医師九条の会よびかけ人
愛知県保険医協会副理事長  池 潤

   「国」という言葉で、私たちが連想するものは何でしょう?
 「日本」「国土」「国旗・日の丸」「国歌・君が代」「国民」「政府」「国家」「権力」……では、国を守ると言った時の「国」とは一体何を意味するのでしょうか?
 島国日本の国土でしょうか、国民でしょうかそれとも国家という権力でしょうか?
 国土を守るといえば、風水害・地震といった天災から国土を守る、これは即国民の生活・生命財産を守ることでしょう。火事・事故・環境破壊といった人災から国を守るといったときも、それは国民を守ることで、まさに国でなければ出来ない国の仕事です。国は国民の生命財産を守る義務があり、国民には守ってもらう権利があります。そういう意味では国を守るといった場合の国とは「国民=私たちひとり一人」だと思いますし、国には義務があるといった場合の国は「国家権力を持つ政府」でしょう。
 「国」を守るためには武力が必要だ、軍事力が必要だ、だから軍隊が必要なんだと声高に叫ぶ人たちがいます。武力が、軍事力が、軍隊が無ければ国=国民は守れないのでしょうか。国の平和、国民の安全は軍事力で守れるのでしょうか。戦後六十年の間、我が国は戦争をしませんでした。ですから戦争で外国人を殺すことも外国人に殺されることもありませんでした。それは何故でしょう。「戦争をしない国、戦争の出来ない国、軍備を持たない国」、それを決めた「憲法九条」によって日本という国が、国民が守られて来たからではないのでしょうか。私たち日本人が世界に誇れるものは数多く有りますが、この「憲法九条」こそがその最たるものであると、私は強く確信します。
 今、この「憲法九条」が蔑ろにされようとしています。自民党政府による改憲の動きがそれです。憲法が出来て六十年、古くなった、今の時代に合わなくなった・・・・・それはみんな彼らの身勝手な屁理屈に過ぎません。憲法を守らない、守ろうとしない人たちに合わせることは絶対に阻止しなければなりません。「戦争をする国、戦争の出来る国、軍備を持つ国」、ひとたびそうなったら「日本」という国はとてつもない大きな過ちを犯すことになります。世界中の国から得ていた尊敬の念を失い、戦争をする国として疑いの目で見られることになりかねません。
 私たちは、改憲による負の遺産を孫子の代に遺したくありません。世界に誇れる「憲法九条」を守ることで「平和日本」を遺したいと思います。

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