2023年7月7日

任意予防接種助成

帯状疱疹の助成が大幅に拡大

保険医協会地域医療部は、2023年4月1日時点での任意予防接種助成事業の実施状況を調査し、県内全自治体から回答を得た。その結果を報告する。

子どものインフルエンザ

子どものインフルエンザワクチンに対する助成については、東郷町が新たに助成を開始した。
県内で助成制度を実施している自治体は20自治体(37.0%)となった。
このうち窓口負担無料で実施しているのは知多市、東郷町、南知多町、設楽町。
子どもの健康を守り、学級閉鎖や看病のために休まざるを得ない親の負担を減らすためにも、すべての自治体で自己負担無料となるインフルエンザワクチンの助成制度が望まれる。

おたふくかぜ

おたふくかぜワクチンに対する助成については、一宮市、津島市、西尾市、新城市(実施予定)、弥富市、豊山町、扶桑町が新たに助成を開始した。県内で助成制度を実施しているのは29自治体(53.7%)となった。この内、2回接種の助成を行っている自治体も五自治体(豊田市、西尾市、弥富市、みよし市、豊山町)増え、13自治体となった。
おたふくかぜワクチンを巡っては、厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会で定期接種化の検討が行われているが、具体的な動きは見られない。
日本耳鼻咽喉科学会は、おたふくかぜの合併症による難聴児を減らすために定期接種化が必要としており、早急な定期接種化を求めたい。
接種回数については、日本小児科学会は2回の接種が望ましいとしている。定期接種を2回している国では、おたふくかぜの発症者数が99%減少した例もある。
国の定期接種化を待つことなく、自治体独自の助成制度を早急に設けることが重要である。自治体に対しても制度の創設と2回の助成を引き続き求めていく。

MRワクチン麻しんワクチン

MR(麻しん・風しん混合)ワクチンは、定期接種化されているが、接種期間に接種の機会を逸してしまう方などを対象に、定期接種の期間以外でも独自で助成を行っている自治体がある。今回の調査で、四自治体(豊田市、小牧市、みよし市、幸田町)で助成制度があることが分かった。小牧市は自己負担無料で実施している。
麻しんワクチンは2回接種が必要だが、年代によっては任意接種だった時期や定期接種が1回だった時期があり、2回接種できなかった人への助成実施が求められる。
今回の調査で、麻しんワクチンの接種漏れの方を対象に、助成を行っている自治体は4自治体(岡崎市(実施予定)豊田市、みよし市、幸田町)あることが分かった。
今年5月末までに国内で10人のはしか感染が確認されている。免疫がないと体力のある大人でも重い症状が出ることもあり、各自治体には定期接種以外の方への助成を求めたい。

帯状疱疹

帯状疱疹ワクチンの助成制度は2020年度に名古屋市が県内で初めて助成を開始した。今回の調査で、22自治体(予定含む)が新たに助成を開始し、助成を行っているのは29自治体(53.7%)となった。
助成している多くの自治体では生ワクチン(ビケン)で2000円~4325五円を上限で1回、不活化ワクチン(シングリックス)で1回1万円~1万1千円を上限に2回助成を実施している。また「今年度は間に合わないが早期に実施できるよう調整している」と回答する自治体もあり、今後も実施自治体が拡大することが予想される。
帯状疱疹は罹患した20%の患者が神経痛を併発し、長ければ数年以上疼痛に苦しむことや、重い後遺症が残る可能性もある。保険医協会は早期の助成実施を求め、「帯状疱疹ワクチン接種の助成制度創設・拡充を求める」要望書を県内全自治体に送付した。

高齢者肺炎球菌 ワクチン

今回の調査で、新たに自治体独自で任意接種の助成事業を開始した自治体はなかった。
高齢者肺炎球菌ワクチンは、2014年に定期接種化され、対象は65歳とされたが、経過措置として65歳以上で5歳刻み(上限百歳)の住民も対象となっている。しかし、対象年度に接種できなかった場合、定期接種の対象にはならず、費用は全額自己負担で任意接種となるため、自治体の助成実施が求められる。また国の経過措置は2018年度末で終了予定であったため、自治体独自の助成を2018年度末で終了する自治体もあった。しかし、国は接種率が低いことを理由に経過措置を今年度末まで延長している。
肺炎による死亡の95%を70歳以上が占めていることからも高齢者の健康にとってワクチンの接種が重要であり、助成制度の再開・創設を訴えていきたい。

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