2021年3月6日

マイナンバー-保険証利用で社会保障費抑制狙う

(愛知保険医新聞20221年3月5日号)

「3月からマイナンバーカードが健康保険証として使えます」との報道がされ、国民、特に患者さんは受診する際にカードが必要だと誤解して「早くカードを作成しなきゃ」との反響があったと思います。事実は現在の保険証で通常通り受診できるのですが、政府は何かにつけマイナンバーカードを取得させようと画策し、現在24%である取得率の拡大を狙っています。
医療現場では、院内での置忘れや紛失も起きかねませんし、カード持参の患者と保険証の方とが混在。カードの患者はカードリーダーで顔認証や資格確認の手続きに不慣れな高齢者や身体が不自由な人への手助けなど、窓口での業務量が増えることになります。初回登録の手助けや、カードのICチップに入っている電子証明書の期限切れ(5回目の誕生日まで)など受付での停滞が予想されます。
その他、問題点として、(1)資格確認によるレセプト返戻が減り窓口業務が軽減されるといいますが、資格喪失での返戻は0.27%に過ぎない、(2)転職・引越で保険者が変わっても一枚のカードで受診できるといいますが、保険者への加入届出は引続き必要、(3)本人同意の下、医師等が処方薬や特定健診情報を確認できますが、レセプト情報を基にするため最大一カ月半のタイムラグがある、(4)公費負担・地域単独事業などは受給者証の確認が引続き必要、(5)個人情報である生物的特徴(顔認証)を使った本人確認まで求めることの人権・倫理面――などがあげられます。
デジタル・ガバナンス閣僚会議は「全ての医療機関でのオンライン資格確認が可能となる2023年3月末までには、ほとんどの住民がマイナンバーカードを保有することになる。将来的に保険証の発行を不要とする」としています。カードの普及をテコに、監視国家の構築、自助による社会保障の切り捨てが狙われています。今後、個人の医療、年金、介護、税金、預貯金などの個人情報が全てカードに紐付けられ、AIを活用した個々人のプロファイリング(各種データを名寄せしてPC上に人物像を作り出すこと)に基づいて、個人が負担した範囲に給付を抑える「社会保障個人会計」の導入への地ならしであるのは確実です。
「今まで通り保険証で受診してください」この院内掲示ポスターを活用し、マイナンバーカードの取得を急ぐ必要がないことをアピールしていきましょう。

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