2020年6月6日

子ども医療費助成-県基準引き上げと18歳まで対象拡大を

(愛知保険医新聞2020年6月5日号)

 保険医協会地域医療部は、毎年「子ども医療費助成制度」の実施状況について県下全市町村にあたる54自治体にアンケートを行っている。今年も、2020年4月時点での調査を行い、全自治体の回答を得て調査結果をまとめた。
 子ども医療費助成制度は、愛知県制度で入院については中学校卒業まで窓口負担を無料にしているが、2020年4月時点で全自治体の半数を超える28の自治体が県基準の対象を拡大していることが分かった。2019年の調査からは、10自治体が対象を拡大している(2020年4月以降の助成実施予定自治体も含む)。
 これまで入院については、県基準と同じ中学校卒業までを対象とする自治体が6割を超えていたが、今回の調査で県基準を超えて助成を行う自治体が5割を超え、逆転をした形だ。今回の調査で新たに対象を拡大した10自治体(豊橋市、岡崎市、刈谷市、蒲郡市、小牧市、稲沢市、新城市、日進市、田原市、幸田町)は、対象を「中学校卒業まで」から「18歳年度末まで」に拡大している。これで、「18歳年度末まで」自己負担無料で医療が受けられるのは、23自治体となった。さらに対象を拡大している3自治体(春日井市、豊田市、東海市)は、18歳年度末以降は学生に限るなどの条件はあるものの、「24歳年度末」まで助成を行っている。全体では、自己負担無料で所得制限なく18歳年度末以上に対象を拡大しているのは、26自治体となり、全自治体の半数に迫る勢いだ。ただ、18歳年度末までに対象を広げながら、2自治体(津島市、犬山市)が、中学校卒業後は所得制限や自己負担を設けている。親の所得に影響されず、すべての子どもが等しく医療を受けられるよう所得制限や自己負担は撤廃すべきである。
 通院については、県基準で義務教育就学前まで窓口負担を無料にしているが、愛知県下の全自治体が対象を拡大している。今回の調査では通院については2019年の調査から対象を拡大するなどの変更をした自治体はなかった。なお、通院で中学生以下に自己負担を課しているのは、半田市のみとなっている。
 協会では、愛知県基準の引き上げを求めるとともに、入院・通院ともに全自治体で18歳年度末まで自己負担無料で医療が受けられるように、今後も運動を続けていく。

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