2021年1月16日

新年にあたり-命と健康、人権を守る社会めざして

(愛知保険医新聞2021年1月15日号)

世界は新型コロナウイルスとの戦いの真っただ中で、2021年を迎えた。たまたま視聴したテレビ授業で、イスラエルの哲学者ユヴァル・ノア・ハラリが人間は一人では地球上で最も弱い生き物であり、ゆえに群れをなすと言ったことが耳に残っている。経済優先の環境破壊がコロナ発生の一因でもあることを考えれば、コロナを機に社会の在り方を考え直す時期であろう。不衛生と貧困がコロナを助長させる。武器ではコロナと戦えない。
生活の基盤が脆くなり、心も萎えてしまいそうな状況下で、保険医協会は様々な取り組みをしてきた。感染症対策に対する補助金制度へのきめ細やかな解説は会員からは大変好評で、感謝の声が届いている。国民生活悪化の中での75歳以上の窓口2割への引き上げ反対、介護・医療の患者負担増中止を求める取り組み、病床削減反対など、また医療の質と独立性を保つためにマイナンバーカードと保険証の紐づけや、オンライン診療の安易な拡大にも反対の意を表明している。
診療報酬に対する事務局員の深い知識には会員の信頼が厚く、会員からの問い合わせは年間14,000件にもなる。各種講演会、文化的、娯楽的な行事、有利な共済制度などは会員とその家族、従業員に大変好評である。
協会は昨年創立70周年記念式典を成功させた。命と健康、人権を守ることを命題として協会は医療と福祉、平和と戦争、公害や核を含む環境問題などに積極的に取り組んでいる。核兵器禁止条約が今年1月に発効するが核保有国と日本はこの条約に背を向ける。唯一の戦争被爆国である日本が批准しないことは世界を失望させている。これからも協会は批准を迫っていきたい。
昨年の政権発足時に菅首相は所信で「自助・共助・公助」と表明した。読売新聞12月21日のコラム“編集手帳”で命の政治家と呼ばれた山本孝史が“「命の切り捨て」はあってはならない、「命を守ること」が政治家の仕事です”と述べていると紹介されている。首相のことばは真逆である。納税者である私たちの税金を政治家の私利私欲や軍事費ではなく、医療・介護・教育を含めた社会保障費に充当したい。
保険医新聞は機関紙として、協会の活動方針を正確に伝えるとともに、会員投稿やインタビュー記事などで会員の顔が見えるような編集を心掛け、読んで楽しくためになる新聞づくりを目指したい。

ページ
トップ