2018年12月7日

国民健康保険-保険料負担緩和の努力を

(愛知保険医新聞2018年12月5日号)

今年度から、国民健康保険都道府県単位化が始まって半年が経過した。
各市町村の保険料が注目されたが、自治体キャラバンのアンケートでは、県内全54市町村の平均保険料の伸びは前年比100.4%と、概ね横ばいとなった。しかし、前年比111%増となった市をはじめ、県がこの春策定した運営方針で定めた101.95%以内とする納付金(県全体の保険給付費を市町村ごとに按分したもの)の伸び率の目安を上回ったところが20余り存在した。同方針は、保険料の激変緩和を目的に、上げ幅を調整したもので、市町村にはこの趣旨に沿った対応を求めたい。
今年度最初の愛知県国保運営協議会が11月始めに開催された。
国保料の賦課方式の構成要素である「資産割」を廃止する市町村が19ほどあることが報告されたが、自治体キャラバンでは、他の構成要素である「所得割」や「均等割」を上げて調整したところがあった。生まれたばかりの子どもにも頭割りで保険料を賦課する均等割減免が、切実な課題となっている。すでに子どもの均等割減免に実施に踏み切った一宮市・大府市・田原市のような対応が広がることを期待したい。
また、県の運営協議会では、国が求める「赤字解消・削減計画策定」に関して、「削減目標の設定にあたっては、被保険者の負担水準に激変が生じないような時間軸を置きつつ」「県と市町村で協議の上、実現可能な計画策定を進める」とした。市町村も、赤字解消・削減の年限を示さず、柔軟に対応を進めるよう求めたい。
自治体キャラバンの県との懇談で、協会けんぽなどと比べて2倍近くも高い国保料を少しでも抑えるため、県独自の補助金復活を求める声が出された。2014年に廃止されたが、最大28億円を計上していた同補助金のような支援があれば、市町村にとってこれほど心強いことはない。もちろん、全国知事会が求めるように、国の公費負担を1兆円規模で増額すれば、協会けんぽ並みに保険料を引き下げることが可能である。
自治体キャラバンでは、法定外一般会計繰入について、削減・解消していくとの回答がいくつかの自治体で見られた。しかし、国も県も保険料の急激な変化が生じないような柔軟な対応を求めており、引き続き、来年度の保険料算定に向けて働きかけが必要となっている。

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