2024年6月27日

自治体制度ー住民が安心して暮らすため制度拡充を

(愛知保険医新聞2024年6月25日号)

保険医協会地域医療部では、毎年、県内全ての自治体に対して医療費助成制度や任意予防接種、健診事業などについての実施状況のアンケートを行っている。
子ども医療費助成制度については、協会では18歳年度末まで入通院とも無料の助成制度を要望している。昨年の調査以降、18歳年度末までの対象年齢拡大がさらに広がっている。通院では瀬戸市、半田市などの15市町が、入院では一宮市、常滑市、大治町の3市町が新たに実施する。また、半田市が中学生以上の1割窓口負担を廃止(2025年4月実施予定)することで、入通院ともに中学生までの窓口負担を設けた県内の市町村は無くなる予定だ。
これらの結果、通院では18歳年度末まで窓口無料は45市町村(83.3%)となり、入院では53市町村(98.1%)が実施している。入院で実施していないのは高浜市だけとなった。今後も各市町村に制度拡充を訴えると同時に、市町村の制度に比べあまりに低い県制度(通院は就学前まで、入院は中学校卒業まで)の拡充も要望していく。
任意予防接種では、帯状疱疹ワクチンへの助成が大きく拡大している。22市町村が新たに助成を開始し、44市町村(81.5%)が助成している。未実施の市町村にはすみやかな助成開始を、実施している市町村には、ワクチンの種類や助成額の拡充を求めていく。
認知症予防に有効とされる難聴高齢者の補聴器購入費助成は、新たに10市町が助成を開始し、実施は16市町と助成拡大がひろがりつつある。多くの未実施の市町村に助成開始を、実施している市町には助成費用拡充や対象者の拡大を求めていく。
この間のコロナ禍や物価高騰で、住民の生活は経済的な困難に直面し、多くの住民が不安を抱える一方で、国は医療費抑制・社会保障削減ありきで制度改悪を推進している。
このような情勢で、住民に一番身近な市町村が果たす役割は大変大きい。住民の要望を受けて市町村の施策に反映することとあわせて、県や国に対して制度創設・改善などを訴えていく必要がある。
今後も国・県・市町村に安心して暮らせるまちづくりのための提案を積極的に行っていきたい。

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