2024年7月1日

2024年度定期総会決議

政治の転換でいのちと生活を守る社会保障の充実を

岸田政権は防衛費を大幅に拡大するとともに、その財源として社会保障費を削減する姿勢を鮮明にしている。こうした動きは、平和主義に基づく戦後日本の在り方を根本から変え、国民の生活の質を低下させるものである。
政府がすすめるマイナ保険証は、今もトラブルが続出している。現行の保険証が廃止されれば、トラブルがさらに増え、医療機関や国民の負担が増えることになる。実質マイナンバーカードの取得強制となる保険証の廃止は、政府が国民を管理・統制するシステム作りに医療を利用するものである。さらに、取得したデータを民間で利活用することも狙われている。
今次診療報酬改定は、新型コロナの影響や物価上昇・人手不足などで疲弊する医療機関を支援するため、大幅な引き上げが求められていた。しかし、改定率はネット(全体)で-0.12%と実質6回連続のマイナスとなった。改定内容は、政府がすすめる医療DXなどの点数が新設され引き上げられる一方で、生活習慣病を中心とした管理料・処方箋料等の効率化・適正化など、医師の診察の評価を引き下げるものとなっている。また、長期収載医薬品の保険給付縮小による負担増など、患者を医療から遠ざけて医療費を抑制するものである。
我々医師・歯科医師は、国民のいのちと健康を守り、医療・社会保障の充実、地域医療体制の確立、平和で不安なく暮らせる社会を築くため、次の各項目の実現を求める。

一、新たな医療・介護の負担増計画は撤回し、窓口負担を大幅に軽減すること。
一、すべての医療機関が医療従事者の賃金引き上げや諸物価高騰に対応できるよう、医療費の総枠を拡大し、初・再診料をはじめ診療報酬を大幅に引き上げること。
一、12月2日の現行の健康保険証廃止は撤回すること。オンライン資格確認システム・オンライン請求の導入義務化を撤回すること。
一、長期収載品の選定療養の導入は行わないこと。
一、保険でより良い歯科医療を実現すること。
一、医療提供体制を抜本的に拡充するとともに、公衆衛生体制の確保に努めること。
一、消費税は5%に減税すること。医療にはゼロ税率を適用し、控除対象外消費税負担を解消すること。
一、エネルギー政策を抜本的に転換すること。原発は新増設・再稼働・運転延長をやめ、ゼロにすること。ALPS処理汚染水の放出は中止すること。温暖化対策に逆行する化石燃料依存などをやめ、再生可能エネルギーを拡大すること。
一、平和憲法を守ること。防衛費の大幅な増額はやめ、平和憲法を生かした外交を行うこと。沖縄・普天間基地を即時撤去し、辺野古への新基地建設は中止すること。日米地位協定は抜本的に見直すこと。政府は核兵器禁止条約に署名・批准すること。
一、会員9,200人の一層「たよりになる協会」を築こう。

以上、決議する。

2024年6月23日
愛知県保険医協会第75回定期総会

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