2023年6月7日

評議員会を終えてー社会保障と平和を基盤とする政治を

(愛知保険医新聞2023年6月5日号)

社会保障と平和を基盤とする政治の実現に力を尽くす方針が評議員会で承認された。
岸田政権の二つの特徴
一つ目は安保三文書に基づいて敵基地攻撃能力を持ち、軍事予算を2倍化する。その一方で医療・社会保障は切り捨てる。二つ目はマイナンバーカード(以下、マイナカード)の活用で、国が国民を監視する社会を作る。つまり国民が主人公から、支配される立場に逆転することである。いずれも日本国憲法の三つの特徴である国民主権、基本的人権、平和主義と真っ向から対立する。
健康保険証廃止を止めよう
保険証を廃止してマイナカードに一体化することは、マイナカードの取得を強制することである。マイナカードは申請で取得し、5年ごとの更新が必要である。高齢者・障害者・認知症の人には取得・更新・管理・利用は難しい。目の障害や不随意運動で顔認証エラーになる、寝たきりの人などは、暗証番号入力が必要である。政府は施設職員などにカードと暗証番号を管理させようとしているが、個人情報保護は、まさに基本的人権である。政治が皆保険制度から落ちこぼれる人を作り出し、基本的人権を踏みにじる。
政府には喉から手が出るほどほしい「監視国家」システム
マイナカードの健康保険証化は、2015年のIT総合戦略本部の分科会会合にすでに記載されている。EU加盟国は、個人の権利が国によって侵害された歴史があり、その反省から個人情報保護を基本的権利としている。ドイツでは個人識別番号は憲法違反である。
軍事費を民生に回せば夢が叶う
「平時から他国に対し攻撃的脅威を与えるような兵器を持たない」ことが、日本経済を活性化し、国民生活を向上させる。東アジア地域の平和と安定に貢献する。兆円単位の軍事費を社会保障に回せば、数千億円単位の社会保障自然増の削減や後期高齢者の保険料引き上げ、窓口負担の2倍化は必要ない。診療報酬・介護報酬を大幅に引き上げれば、物価高騰に苦しむ医療機関などの経営が改善する。職員給与を引き上げ、地域の経済は活性化する(2015年厚生労働白書)。オンライン請求に取り組む原資ができる。その他、0~2歳幼児教育、小中学校給食費、大学学費などが無償化できる。人口減少に歯止めがかかり、優秀な人材が育ち、東アジア諸国間で若者が交流し、「国際社会において、名誉ある地位を占める」ことができる。

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