保険請求Q&A(2021年12月15日号)

新型コロナウイルス感染に関する公費請求等について

 11月18日(木)に開催した「公費負担医療等の手引」説明会後に寄せられた質問のうち、新型コロナウイルスに関するものを中心に解説する。

新型コロナウイルス感染に関する項目について
Q1.発熱等の症状があり新型コロナウイルス感染(以下、新型コロナ)を疑う外来患者に対し、検査を行いその場で陽性が判明、引き続き療養上の指導を行った上で新型コロナの症状に対し投薬した場合、(1)どの点数が算定できるか。(2)上記で算定できる点数のうち、どの点数が公費の対象になるか。
A1.
(1)ア)初・再診料
※6歳未満の患者の場合は「乳幼児感染予防策加算(50点)」が算定できる。(2022年3月診療分まで)
イ)院内トリアージ実施料(300点)+二類感染症患者入院診療加算(250点)
ウ)SARS-CoV-2抗原検出(600点)+免疫学的検査判断料(144点)
エ)投薬にかかる点数
オ)救急医療管理加算1(950点)
(2)ウ~オが公費の対象となる。

Q2.設問1で公費対象となる点数は、どのように請求すればよいか。
A2.設問1のウは検査に対する公費負担番号(28から始まる医療機関の所在地の番号)、エオは自宅・宿泊療養者に対する公費負担番号(28230605)を使用する。

Q3.一連の診療で、新型コロナ検査に対する公費番号と自宅・宿泊療養者に対する公費番号を併用する場合、どちらが優先になるか。
A3.検査に対する公費番号が優先になり、レセプト上は公費1となる。自宅・宿泊療養者に対する公費番号が公費2となる。

Q4.新型コロナとインフルエンザウイルスの抗原同時検出ができるキットを使って検査を行った場合、どの点数で算定するのか。また請求方法は、新型コロナ検査に対する公費で請求すればよいか。
A4.SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出(600点)と免疫学的検査判断料(144点)で算定する。また、いずれの点数も新型コロナ検査に対する公費で請求できる。

Q5.上記のように同時検出キットを使用して検査を行った場合、疑い病名は両方必要か。
A5.それぞれの疑い病名が必要となる。

Q6.新型コロナ・インフルエンザの同時検出キットを使用する場合も、検査が必要と判断した医学的根拠を「摘要」欄に記載する必要があるか。
A6.記載する必要がある。

新型コロナ陽性者で自宅・宿泊療養者に対する医療について
Q7.自宅・宿泊療養中の患者に対し、電話による診療を行った場合の二類感染症患者入院診療加算は、「診療・検査医療機関」でなくても算定できるのか。
A7.算定できる。

Q8.上記の場合、電話による診察料、二類感染症患者入院診療加算に加え、院内トリアージ実施料は一緒に算定できないのか。
A8.算定できない。院内トリアージ実施料は、対面により診療した場合のみ認められる。

Q9.新型コロナの感染者で、自宅・宿泊療養の解除基準(発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過した場合等)を満たしているが、後遺症の症状がある患者に対し治療を行った場合は公費の対象となるか。
A9.単なる後遺症の場合は公費の対象とはならない。

新型コロナウイルスに係る検査点数については、12月8日の中医協で引き下げの確認がされているため、今後の情報にご留意ください。

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