歯科保険請求Q&A(2021年12月15日号)

Q1.高強度硬質レジンブリッジは、実施にあたって施設基準の届出が必要か。また、前歯部は対象となるか。
A1.高強度硬質レジンブリッジは施設基準が定められておりません。前歯部は対象部位ではありません。原則、臼歯部の7番が4歯残存し、左右の咬合支持がある患者で、ブリッジの歯式が④5⑥の場合が対象です。歯科用金属アレルギー患者の場合は、④5⑥または⑤6⑦が対象です。


Q2.日頃から連携している他の医療機関があるが、この医療機関は「特別の関係」にあたるのか。
A2.「特別の関係」にあたる医療機関とは、自院と同じ医療法人に属する医療機関や、自院の開設者の親族が他院の開設者となっている医療機関などが対象です。これらに該当せず、日頃から連携して関係性ができているだけで「特別の関係」とはなりません。


Q3.レセプトコンピュータで入力したカルテをPDFファイルで保存することで、紙カルテに印刷して保存しないでも良いか。
A3.カルテの「電磁的記録の保存を行う場合の基準として講じなければならない措置」にある(1)見読性、(2)真正性、(3)保存性の三つが確保されているとは考えられません。紙カルテまたは電子カルテを使用してください。


Q4.SRP後、歯周精密検査を実施した同日にSPT(Ⅱ)を算定できるか。
A4.歯周精密検査と同日にSPT(Ⅱ)は算定できます。しかし、歯周精密検査は実施しても、SPT(Ⅱ)に包括されるため算定できません。


Q5.自閉症疑いの患者だが、障害者手帳は持っていない。しかし、意思疎通ができないため開口保持ができない。この場合でも、歯科診療特別対応加算の対象となるか。
A5.歯科診療特別対応加算の対象は、障害者手帳を持っているかが基準ではありません。意思疎通ができず開口保持もできないといった状態であれば、加算できます。


Q6.訪問診療している患者が、デイサービスに通っている。日にちが合わないので、デイサービス施設で訪問診療を行っても良いか。
A6.デイサービス施設での訪問診療は認められていません。通所施設は居宅ではないため、訪問診療は認められません。


Q7.医科から金属アレルギー患者であるとの情報提供をもらった。検査した金属がコバルトとニッケルで、どちらも陽性となっている。これで歯科用金属アレルギー患者として取り扱って良いか。
A7.歯科用金属アレルギー患者として取り扱うには、この他に、歯冠修復・欠損補綴で使用する金、銀、パラジウム、亜鉛など合金に含まれる金属成分についても医科で検査して、情報提供をもらってください。


Q8.補管中の部位の隣在歯が、歯周病で自然脱落した。補管中の部位も含めてブリッジにしたいが、事前承認ブリッジの対象となるか。
A8.歯周病が原因では、事前承認ブリッジの対象となりません。外傷や腫瘍などで、補管の当該歯や隣在歯が抜歯となった場合が対象となります。


Q9.5年前に6番を抜歯して8番を移植した。7番が4歯残存しており、咬合関係もある。6番部に移植した後の歯に、CAD/CAM冠を適用できるか。
A9.移植後の状態が安定していて、7番の残存や咬合関係の条件も合っているのであれば、移植後の歯にCAD/CAM冠を適用できます。


Q10.定例報告提出にともなって、初診料の注1に規定する施設基準(歯初診)の研修要件にある受講履歴を確認したところ、前回受講してから4年以上経過していた。どのように対応すれば良いか。他の施設基準などとの関係は、どのようになるか。
A10.歯初診の施設基準について、辞退届を東海北陸厚生局に提出する必要があります。合わせて、研修の期限が切れた時期まで遡って診療報酬と窓口負担金の返金を行うことになるため、厚生局にご相談ください。また、歯初診の届出が前提となっている他の施設基準(外来環、か強診)を届け出ている場合、これらも辞退届の提出と返金を行います。さらに歯科訪問診療料を算定している場合は、歯初診の届出をしていないと各区分から10点が減算されるため、これも返金してください。

ページ
トップ