半数を超える医療機関で 請求事務にかかる時間が「増えた」
保団連・各保険医協会は、7月に「レセプト記載要領コード化」の影響についてアンケートを実施した。レセプト記載要領コードは、電子請求の医療機関においては昨年10月診療分から使用が原則義務化されており、全国の医療機関が対応に追われた経緯がある。
今回のアンケートは、レセプト記載要領コード化による影響を調査し、結果を厚労省に届けるとともに、次期診療報酬改定で改善が図られるよう要望・提言を行っていくために実施した。
全国の会員医療機関に協力を依頼した中から、愛知県分の集計結果(送付数3,463件、回答数732件、回答率21.1%)について特徴を挙げる。
愛知県で回答のあった732件の内訳は、診療所473件(65%)、病院155件(21%)、不明・未回答104件(14%)となっており、診療所と病院でおおよそ3対1の比率で回答を得ている。
コード化による請求事務にかかる時間(グラフ1)については「増えた」が52%で半数を超えている一方、「減った」は4%に留まっており、厚労省が事務作業の効率化のために導入したコード化が、却って業務を圧迫している実態が明らかになった。
コードの入力方法(グラフ2)では「コードを手入力する必要がある」の43%をはじめ、「点数を入力するとコードが表示され選択する」「点数を選択し摘要欄にマウスでプルダウンするとコードも入力される」など様々な方法が乱立している。入力方法によって請求事務にかかる時間も大きく左右されると想定されるため、算定内容と連動して自動入力される項目の見直しなど、レセコンメーカーがコード化により適したシステムを開発・提供していけるか、という点も今後の課題と言える。
コード化で煩雑・不必要と感じる項目(グラフ3・複数回答あり)については「在宅医療」が一番多くなっており、「検査」「画像診断」が続いた。煩雑・不必要と感じる理由として、「1つのコードに1つの対象日しか入力できないため、訪問日の入力が膨大になる」「在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料のコードが多すぎる」「検査は項目が多いので煩雑になる」といったコメントが寄せられた。
保団連は今回のアンケート結果を基に、医療機関の事務負担を増やさないようコード化を撤廃する旨の要請書を、11月5日に厚労省へ提出している。