施設等に入所する患者への在宅点数等について
Q1.特別養護老人ホーム(以下、特養)に入所中の患者に対する医療には算定制限があるが、訪問診療料や施設入居時等医学総合管理料(以下、施医総管)について、
(1)算定できる対象患者とは、どのような患者か。
(2)上記(1)で示した対象患者であれば、算定してよいか。
(3)訪問診療料の「看取り加算」も上記の要件を満たせば算定できるか。
A1.
(1)以下の(ア)又は(イ)の患者が対象となる。
(ア)末期の悪性腫瘍である場合。
(イ)当該施設で看取った場合(死亡日から遡って30日間に行われたものが算定可)。
(2)
(ア)の患者については特に他の要件はない。
(イ)の患者については、算定する医療機関が在宅療養支援診療所・支援病院、又は特養の協力医療機関であり、特養が介護保険の「看取り介護加算」の施設基準を満たしていることが必要。
(3)上記の要件に加えて、特養において介護保険の「看取り介護加算(Ⅱ)」を算定していない場合は、医療機関で「看取り加算」を算定できる。
Q2.短期入所生活介護(ショートステイ)を利用する患者については、訪問診療料や施医総管を算定するにあたり何か要件があるか。
A2.以下のいずれかの要件で算定できる。ただし、いずれの場合も配置医師である場合は算定できない。
(1)サービス利用前30日以内に患家を訪問し、訪問診療料や在宅時医学総合管理料、在宅がん医療総合診療料等を算定した医療機関の医師が診療した場合に限り、利用開始後30日までの間、訪問診療料や施医総管が算定できる(末期の悪性腫瘍患者は日数制限なし)。
(2)入院患者が退院日からサービスを利用する場合は、退院日を除き利用開始後30日まで算定できる(末期の悪性腫瘍患者は日数制限なし)。
Q3.介護老人保健施設(以下、老健)のショートステイ(短期入所療養介護)を利用する場合も、設問2の要件を満たせば訪問診療料や施医総管を算定できるか。
A3.算定できない。老健の場合、在宅点数については基本的に往診料以外算定できない(在宅療養指導管理料で使用する材料等、一部のみ認められる)。
※併設医療機関である場合は往診料も算定できず、一部認められる材料等のみ算定可。
Q4.医療機関が算定する介護保険の居宅療養管理指導費について、特別養護老人ホームや介護老人保健施設等の施設入所者にも算定してよいか。
A4.算定できない。居宅療養管理指導費は、要支援者・要介護者の「居宅」を訪問して療養上の指導を行うこと、となっているため、設問のような施設入所者は対象とならない。
ただし、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)と特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホーム等)の場合は算定できる。