個別指導の選定理由別件数などが開示される
前号に続き、行政文書開示請求により入手した資料の中から、2020年度の指導実績と2021年度の指導計画件数などの情報を紹介する。
2020年度に実施された指導の実績、2021年度の指導計画件数は表1のとおりとなっている。集団的個別指導は、昨年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により実施されなかった。今年度は、対象医療機関への資料配布のみの実施となる。
また、昨年度の個別指導の実績については、病院では昨年度の個別指導は実施されておらず、医科診療所が19件、歯科は23件であった。例年の実施件数は、個別指導の予定件数に対して約5割程度の実績であるが、昨年度は「高点数理由」の個別指導が実施されなかったため、件数は大幅に減った。今年度も「高点数理由」の個別指導は実施されないため、計画件数も前年度から大幅に減っている。
個別指導の選定理由別実施件数(表2)では、昨年度は医科診療所で「情報提供」4件、「再指導」15件、歯科では「情報提供」6件、「再指導」15件。2019年度に前年度から医科で3件、歯科で10件増えた「再指導」の件数は、2020年度実績で医科は2件増加したが、歯科は13件減少した。
2021年度の計画件数は、病院は「情報提供」3件のみ、医科診療所は「情報提供」5件、「再指導」20件、歯科では「情報提供」6件、「再指導」16件となっている。
表3は2020年度の個別指導結果の内訳である。医科診療所は「経過観察」が10件、「再指導」8件、「中断中」1件であった。歯科については、「中断中」が3件あったが、それ以外の内訳は、「公にすることにより当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものに該当するため」という理由で不開示であった。開示請求は個別事例でなく件数だけであり、医科診療所等の内訳は開示されているので、東海北陸厚生局指導監査課に問い合わせたが、納得できる明確な回答はなかった。今後、厚労省に開示決定に対する不服審査請求を行う予定である。