健保だより(2020年3月15日号)

新型コロナウイルス感染症に係る取扱い

 新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、慢性疾患等を有する定期受診患者等について、電話再診等での診療と処方箋交付ができる旨の事務連絡が、2月28日付及び3月2日付で厚労省から出された。事務連絡の内容と、協会に寄せられている質問について紹介する。

【慢性疾患等を有する定期受診患者等に係る電話や情報通信機器を用いた診療、処方箋の送付等に関する留意点】

1.新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、慢性疾患等を有する定期受診患者等について、既に診断されている慢性疾患等に対して医薬品が必要になった場合には、電話や情報通信機器を用いて診察した医師は、患者の同意を得て、処方箋をファクシミリ等により患者が希望する薬局に送付し、薬局はその処方箋に基づき調剤することができる。
なお、処方箋のファクシミリ等による送付は、医療機関から薬局に行うことが原則であるが、患者が希望する場合には、患者自身が処方箋情報を薬局にファクシミリ等により送付しても差し支えない。
2.事前に診療計画が作成されていない場合であっても、慢性疾患等を有する定期受診患者を複数回以上診療しているかかりつけ医が、その利便性や有効性が危険性等を上回ると判断した場合、電話や情報通信機器を用いた診療で処方することは差し支えない。
3.ただし、新型コロナウイルスへの感染を疑う患者の診療は、「視診」や「問診」だけでは診断や重症度の評価が困難であり、重症化のおそれもあることから、直接の対面による診療を行う。
4.医療機関は、処方箋を保管し、後日、薬局に当該処方箋を送付するか、当該患者が医療機関を受診した際に当該処方箋を手渡し、薬局に持参させる。
5.医師は、ファクシミリ等により処方箋情報を薬局に送付した場合は、カルテに送付先の薬局名を記載する。また、患者自身が処方箋情報を薬局にファクシミリ等により送付した場合、薬局から、「処方箋情報が患者からの送付された旨」の連絡があるので、同一の処方箋情報が複数の薬局に送付されていないことを確認し、カルテに当該薬局名を記録する。
6.外来診療料を算定する医療機関においても、電話再診と同様に医師が電話や情報通信機器を用いて診療し、ファクシミリ等で処方箋を送付した場合、外来診療料の算定ができる。その場合、レセプトの摘要欄に、電話等による旨と診療日を記載する。またカルテには、5.と同様に記載する。

【令和2年2月28日 厚生労働省保険局医療課 事務連絡】
 「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて」(その2)抜粋

Q1 事務連絡(上記)の「1」にあるように、慢性疾患等を有する定期受診患者等について、医師が電話や情報通信機器を用いて診療し医薬品の処方を行い、ファクシミリ等で処方箋情報が送付される場合、保険医療機関は、電話等再診料、処方箋料を算定できるか。
A1 算定できる。

Q2 Q1について、電話や情報通信機器を用いて診療を行った場合は、電話等再診料とオンライン診療料のいずれを算定するのか。
A2 Q1の場合については、電話等再診料で算定すること。

【協会に寄せられている質問より】
 

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