愛知保険医新聞2024年10月25日号掲載
一宮市 江崎 貞治
厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師統計が発表された。医師数が増えた科として美容外科、アレルギー科、産科、形成外科等があり、医師数が減少したのは気管食道外科、小児外科、外科、心療内科、耳鼻咽喉科などのようである。私が卒業した30年以上前とは人気のある科も随分変わったなと感じるし、外科の医師が減ってしまって、大丈夫なのかとも思う。
私の所属するリハビリテーション科も医師数が増えた診療科の側に入っているが、専攻医が希望する理由として一番多いのは「ライフワークバランスが良さそうだから」らしい。ライフワークバランスが悪そうな、医師という職業を選択しておいて、その理由はどうなのかと思う部分はある。しかし、仕事環境などあまり知らずに医学部に入る人もいるわけだし、ライフワークバランスは今どき、どの職種においても求められるもののようなので、まあこれも時代の流れなのだろう。
私の勤める総合大雄会病院のリハビリテーション科には、昨年から大学からの派遣で2人目の専攻医が来ている。リハ科の研修は、専攻医が基幹施設である大学病院から回復期リハ病棟のある連携施設に半年以上の期間派遣される仕組みになっている。基幹施設がほぼ大学病院に限られているリハ科の研修のしくみに違和感を覚える点はあるが、新研修制度になり、当院で研修をしてくれる専攻医が多くなっていることはありがたいことである。
ローテートで来てくれた専攻医に関しては、特に違和感を覚えることなく仕事ができている。自分のものの見方が時代の変化に伴って変わってきている点もあるのだろうし、若い先生たちも医師の仕事に関しては考え方があまり変わっていないのかもしれない。いずれにしても、若い先生と接する機会があるのは良いことだと感じている。