三師統計から歯科医師活躍の可能性を考える

愛知保険医新聞2024年3月25日号掲載

熱田区 橋詰 義幸
私も長年医療生協の歯科診療所で働き、一昨年還暦を迎え役職を後進に譲りました。
もちろん私が歯科医師になった当時「歯科医師臨床研修制度」はなく、1987年(昭和62年)6月「一般歯科医養成研修事業」が国の補助事業として予算化され歯科大学・歯学部附属病院で卒後1年間臨床研修が実施されるようになりました。しかし、私は卒業と共に現在の診療所で学び働いたのです。必修化は2006年(平成18年)4月からのことでした。

令和5年度の歯科医師臨床研修の全体のマッチ率は約88%でした。また、大学病院別のマッチングは35施設中15施設がマッチ率100%で自学出身者が多く占めている大学もありました。後は、国試の合格結果を待つのみです(今年度の合格率は66.1%、新卒81.5%)。臨床研修期間が過ぎた後、歯科医師の雛達のその後のキャリアアップはどうなるのでしょうか?
令和4年度医師・歯科医師・薬剤師統計によると現在活躍する歯科医師105,267人の内85.7%が歯科診療所で働いており、その63%が自ら診療所を運営し、診療所に勤務している歯科医師は37%です。また、全体の11%を占める病院従事者のうち、歯科大・歯学部や医学部附属病院に所属する歯科医師は72%程です。行政機関に従事する歯科医師は、全体の0.3%、血液センター・生保会社(嘱託)・支払基金等の保健衛生業務に従事する歯科医師は0.1%であり、医師に比べると少数です。

この統計で期待したい歯科医師は、行政で活躍する歯科医師と共に介護保険施設と介護医療院で活躍する歯科医師です。この時点で34人と極めて少数ですが、前回より6人増加し高齢者の摂食嚥下・口腔ケアの重要性が高まってきている昨今です。大いに増えることを期待したい分野でもあります。そのためにも介護報酬・診療報酬での位置づけが必要かと思います。
願わくは、私たちの医療活動や健康で長生きの街づくりに共感する、新たな若き歯科医師を招きたいものです。

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