協会に寄せられた新型コロナの内容を含む公費負担医療に関わる質問を紹介する。「公費負担医療等の手引2023年10月版」も発行されているので、活用いただきたい。
感染症法(新型コロナウイルス感染症)(法別28)
Q1.小児科外来診療料や小児かかりつけ診療料を算定する患者に新型コロナの検査を行った場合、検査の実施料や判断料は包括され算定できなくなるのか。
A1.包括されず、別に算定できる。同様に以下の点数を算定している場合も、新型コロナの検査・判断料は別に算定できる。
【地域包括診療料、認知症地域包括診療料、生活習慣病管理料、手術前医学管理料、在宅がん医療総合診療料】
Q2.新型コロナの治療薬については、それぞれの負担割合に応じた患者自己負担金額(3割負担の患者は9,000円、2割負担の患者は6,000円、1割負担の患者は3,000円)が設けられているが、次の(1)~(3)については、患者の自己負担額はどうなるのか。
(1)福祉医療制度など
(2)生活保護単独
(3)無保険の患者 2.
A2.
(1)福祉医療など、対象疾患を限定しない形で助成を行う公費制度の場合は、新型コロナの治療薬の一部負担金額も助成対象となるため、患者から負担額を徴収する必要はない。
(2)全額、新型コロナの公費が負担する。
(3)全額、患者が自己負担する。
Q3.入院において新型コロナに係る診療及び治療薬を算定する場合、第一公費を入院補助の公費、第二公費を治療薬の公費として、レセプト請求すればよいか。
A3.10月1日以降は、「入院補助」又は「治療薬補助」の公費のうち、適用するものを使用する。入院診療において新型コロナに係る診療及び治療薬を算定する場合、患者の一部負担金額が、新型コロナの入院診療において設けられている高額療養費自己負担限度額を超える場合は、入院補助を適用し、超えない場合は治療薬補助を適用する。
詳しくは令和5年9月28日付「・・・10月以降の公費支援の費用の請求に関する診療報酬明細書の記載等について」にて示されているので、参照されたい。
※なお、11月7日付で上記の通知が一部訂正されているので、注意が必要である。
難病法に係る特定医療費助成制度(法別54)・小児慢性特定疾病医療費助成制度(法別52)
Q4.現在の指定難病と小児慢性特定疾病の医療費助成は、公費助成の申請をした日から適用になるのか。
A4.従前は「申請日」から適用されていたが、法改正により2023年10月1日以降は、指定難病は「重症度分類を満たしていることを診断した日」、小児慢性特定疾病は「当該小児慢性特定疾病と診断し、且つ、当該疾病が原因で疾病の状態の程度を満たすと総合的に判断した日」から適用されることになった。
ただし、申請日からの遡及期間は原則1カ月とし、入院その他緊急の治療が必要であった場合など、診断日から1カ月以内に申請を行わなかったことについてやむを得ない理由があるときは、最長3カ月となる。
この内容は、新しく協会から発行している「公費負担医療等の手引2023年10月版」に示されているので確認されたい。(指定難病:P.474、小児慢性特定疾病:P.273)