愛知保険医新聞2022年10月25日号掲載

春日井市　久米　聡一郎

開業する魅力として、まずは自身の自己成長ができることと思います。開業すると診療とは別に経営のことを考えないといけません。歯科医師としてまた社会人としてのステータスがあがることに繋がり、仕事の幅が広がると思います。
また、開業すると自分で勉強したことや、セミナーに参加したことを即実践に繋げることができることです。勤務医の立場だと医院の方針や院長の考えが障害となり、なかなか勉強したことの成果が表れず無駄になってしまうこともあります。
しかし自身が院長になり、責任者になると勉強したことがすぐ成果に繋がりやすいため、向上心などモチベーションの維持にも関わってくると思います。

開業して苦労するところは、人材だと思います。近年は、どの業種も人手不足が問題になっていて、歯科医院も人材不足でどこの院長先生もみんな悩んでいることと思います。新規開業の際、新規の募集は結構来るよと言われますが、私が開業した際、面接に来た数としては想像よりも少なかった記憶があります。
しかし、どこの医院さんも悩みは同じであるため、開業前にやっておくと良いと思うことは、最初の時点で医院の方針やスタッフの待遇、就業規則など予めしっかりと準備しておくとスタッフの定着につながりやすいのではと感じました。
また、コロナ禍の教訓でグローブやマスク、アルコールなどの衛生用品の不足が起こらないように在庫管理などは今後も気にかけないといけないと思います。

これから開業をする先生に伝えたいことは、決断力が一番大事だということです。開業地を選定することから始まり、開業してからもさまざまな問題に直面すると思います。そこで大事になるのは自身の決断力です。周囲の意見に惑わされることが多々あると思いますが、結局のところは誰も助けてくれません。ですから、自分の明確なビジョンがないといけないと思います。
開業する前に自分がどのようになりたいか、どのような医院にしたいか、しっかりと準備して行動していくことが大切だと思います。