内閣総理大臣 石破 茂 様
総務大臣 村上誠一郎 様
文部科学大臣 阿部俊子 様
厚生労働大臣 福岡資麿 様
愛知県保険医協会勤務医の会
代表 棚橋千里
2024年4月から医師の時間外上限規制が開始された。愛知県保険医協会勤務医の会では、医師の働き方改革が医師の労働改善につながっているのか調査するため2024年9月~10月に「勤務医の働き方実態調査アンケート」を行い103件の回答があった。
今回の調査では、日直や宿直で患者対応が「頻回にある」「患者対応がときどきある」が回答者の9割近くを占め、「充分な睡眠がとれないことが多い」「いつも充分な睡眠がとれない」との回答も4割を超えた。日直や宿直が負担になっていること、宿日直やオンコール、自己研鑽、サービス残業など労働時間としてみなされない勤務に矛盾を感じる声が多く寄せられた。「80時間を超える時間外労働をおこなっているが80時間までの申請とせざるを得ない」という声のように時間外労働の上限を超えないよう申請をしている実態が明らかになった。医療の将来を担う若手医師からは「時間外に制限をつくるより、正しく申請して給料を渡すべき。見た目上の時間外が減るのみ」「自己研鑽で働く時間が増えただけ」「偽りの申告を強いられることに虚無感を感じる同世代医師は多い」という声が寄せられている。
私たちは国の責任で勤務医の労働実態の把握、勤務医の待遇改善、医師の増員で過労死ラインまで及ぶ医師の過重労働の解消をはかるよう以下の通り要望する。
記
- 「宿日直許可」の実態を把握すること。実態に見合わない「宿日直許可」が生じないよう制度改善をすること。
- 時間外労働時間の推移だけでなく、労働時間に現れない勤務医の勤務実態の把握を行うこと。
- 長時間労働を前提とした医師の需給予測を改め医師の増員をはかること。医師が子育て・介護でキャリアを中断せず働き続けられるよう労働環境の改善、支援策を行うこと。
- 診療報酬引き上げなど医療費の総枠拡大で医療機関の経営と勤務医の待遇改善をはかり「医療の質」を担保すること。
- 上記にあたっては患者窓口負担が増えないよう負担軽減を行うこと。
以上