2022年5月29日

ロシアのウクライナ侵略に抗議する特別決議

ロシアのウクライナ侵略は、「主権の尊重」「領土の不可侵」「武力行使の禁止」を謳った国連憲章に違反する侵略行為である。病院、原発、学校への攻撃は、国際人道法に反する戦争犯罪でもある。国連総会は二度にわたりロシア軍撤退を求める決議を行い、140国もの賛同が寄せられ、国際社会の圧倒的な声が示された。ロシアは国際社会の総意に従い、ウクライナ侵略を中止し、即時撤退すべきである。

今回のロシアのウクライナ侵略が明らかにしたのは、軍事力と軍事同盟の強化は軍事対決・挑発を激化させ国際社会を分断させるだけで、平和は実現するどころか戦争と武力行使に帰結する、という事実に他ならない。

日本がとるべき道は、「力に対し力で」対抗するのではなく憲法九条を生かした外交努力である。憲法九条は、日本の過去の侵略戦争への深い反省から、政府の行為によってふたたび戦争の惨禍が起こらないよう決意をし、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定めたものである。九条に基づいた徹底的な対話による外交こそ、日本ができる最大の国際貢献である。

ロシアのウクライナ侵略に乗じて、憲法への自衛隊明記や敵基地への先制攻撃、アメリカの核兵器を共有し威嚇に使うなどの主張が与党サイドから活発化していることは、憲法九条を持ち、唯一の戦争被爆国の態度として、断じて許されない。さらには、原発再稼働を求める動きも危険極まりない。

国会の憲法審査会では、緊急事態条項が議論され、内閣が立法措置を行う緊急政令の必要を自民党などが主張している。戦前の旧憲法下、治安維持法の重罰化を国会ではなく勅令で制定した歴史を振り返る必要があり、国民の自由や民主主義を奪う暗黒の時代に逆戻りさせてはならない。

保団連は、「開業医宣言」(1989年制定)で、「人命を守る医師はいかなる戦争をも容認できない。私たちは歴史の教訓に学び、憲法の理念を体して平和を脅かす動きに反対し、核戦争の防止と核兵器廃絶が現代に生きる医師の社会的責任であることを確認する」と誓った。

私たち医師・歯科医師の団体である愛知県保険医協会は、今こそ、この精神に則って、ロシアのウクライナ侵略に抗議するとともに、平和の実現に力を注ぐことを誓うものである。

以上、決議する。

2022年5月29日 愛知県保険医協会2022年度第1回評議員会

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