2024年10月11日

物価高騰に対する医療機関への財政措置等を求める要望書

◉愛知県及び愛知県内市町村に対して、以下の要望書を提出しました。

愛知県知事 大村秀章 様

2024年10月11日
愛知県保険医協会
理事長 荻野高敏

 昨今の物価高騰による光熱水費や食材費等の高騰が、国民生活とあらゆる業種の事業者に大きな影響を及ぼしています。診療報酬はいわゆる公定価格のため、医療機関は他の事業者と異なり価格転嫁できません。地域の医療機関の日常診療が立ち行かなくなれば、患者や地域住民への医療提供、健康の確保に影響を及ぼします。
 物価高騰、人手不足と人件費の増加、医療DXによるシステム導入と維持費負担による三重苦が医院経営を圧迫しています。さらに今年6月の診療報酬改定では、物価高騰と賃上げへの対応が喫緊の課題とされましたが、実質的な引き下げが行われ、追い打ちをかけています。
 当会では、9月17日に「物価高騰に関する医療機関の影響調査」を開業医会員(5,687人)に対して行い、9月27日までに513人(協力率9.0%)から返信がありました。電気料金・ガス料金について、昨年の8月と比較して9割の医療機関が「上がった」と回答し、値上げ幅は51010%が32.4%と最も多く、上り幅20%以上と回答した医療機関も16.8%を占めました。また、医業収入については、昨年6月の収入と比べ7割の医療機関が「下がった」と回答しました。減収幅は5%~10%が43.5%と最も多く、10%以上減収となった医療機関も40.1%を占め、光熱費・材料費・薬剤費・人件費等の経費増を診療報酬で「補填できていない」と回答した医療機関は88.6%にものぼりました。「物価上昇と賃上げに診療報酬が追いついていない」「コロナ5類移行後も感染対策の経費は同様にかかっている」「一般企業と異なり、企業努力のみでは物価や人件費高騰に対応できない」「光熱費や人件費は医療の安全に直結する。基本診療料の大幅引き上げや補助金の支給をお願いしたい」など現場の声や財政措置を求める要望が寄せられました。
 物価高騰による医療機関への影響を踏まえれば、診療報酬改定で補填できていない以上、当面の措置として補助金等による支援策が必要です。今年度も国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」の措置が行われています。医療提供に必要なコストの上昇に対応するとともに、従業員の処遇改善に資するため、すべての医療機関に対する財政支援策の創設を求め、下記事項について要望いたします。

1.「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」等を活用し、医療機関を対象にした感染防止対策の経費や光熱水費等の高騰に対する支援策を実施、継続、拡充をしてください。

以上

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