これから開業を考えている先生へ伝えたいこと
愛知保険医新聞2023年11月25日号掲載
守山区 水野 明宏
私は2022年5月に守山区川宮町に「守山みずのハートクリニック」を開業しました。私のドタバタ開業記をご紹介したいと思います。何かの参考にしていただければ幸いです。
これまで一般外科医として3年、心臓血管外科医として18年間、急性期医療どっぷりという環境で過ごしてきました。50歳目前となり会議や講義が増え臨床の場にたつ回数が減るにつれ、プレーヤーとして最後まで働きたいと次第に強く思うようになり、コロナ渦真っ只中の2020年夏に開業を決断しました。
最初に相談したのは開業したばかりの同級生でした。開業のお手伝いをしてくれた経営コンサルタントを紹介してもらいました。開業のギリギリまで勤務医として働かれる方が多いと思います。忙しい勤務の傍ら開業の準備をすすめるのはとても大変です。お金はかかりますが開業まで一緒に走ってくれるパートナーを見つけるのが一番大事だと思います。パートナーも決まり、2022年春開業を目指し土地探しが始まりました。土地探しを始めて4カ月目で、これはという土地に巡り合いました。
紹介された設計士さんと建物の設計も大まかに決まり、いよいよ契約と思った矢先、土地がダメになったと連絡が入りました。他へ貸されるとのことでした。コンサルタントが必死に取り返してくれましたが、家賃が倍になっており、泣く泣くあきらめることに。コンサルタントとの関係も若干悪くなりましたが、新しい担当がその2カ月後に今開業することになる場所を探してきてくれました。
結果、ドラッグストア内のテナント開業となり初期投資が半分で済み、開業後に必要な調剤薬局と駐車場のことを全く考えなくてよくなりました。また直前まで勤めていた病院の比較的近隣ということもあり、病診連携もしっかりできることになりました。この土地での開業に導かれたと思います。
開業はご縁だと思います。土地との縁、開業を手伝ってくれる人との縁、支えてくれるスタッフとの縁、どれもとても大事です。これから開業する皆様も良い縁と結ばれることをご祈念いたします。