健保だより 5月8日以降の新型コロナ患者の入院に関する特例など(2023年5月15日号)

 3月31日に新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いを変更する旨の事務連絡が出された他、3月20日に公費による補助の請求に関する課長通知4月6日に施設基準に関する事務連絡、および4月17日に疑義解釈が発出され、その中で5月8日以降の入院医療の取扱いが示された。

注)2023年10月1日以降の特例については、こちらをご覧ください。

1.5月7日以前から、入院していた患者について

 5月31日まで … 変更前の特例に基づいて算定する。
 6月1日以降  … 患者の入院日にかかわらず、変更後の特例に基づいて算定する。

2.5月8日以降、新設された点数等の特例

ラゲブリオ等の新型コロナ治療薬
 療養病棟入院基本料や特定入院料等、原則として投薬の費用を包括している入院料であっても、薬剤料のみ算定ができる。

3.5月8日以降も継続される入院点数等の特例

(1)必要な感染予防策を講じた上で保険医療機関に入院させた場合
 A300救命救急入院料~A303総合周産期特定集中治療室管理料の特定入院料を算定した場合

  二類感染症患者入院診療加算の2~4倍(500点~1,000点/日)を算定できる。
 上記またはA305 一類感染症患者入院医療管理料以外の入院料を算定した場合
  二類感染症患者入院診療加算(250点/日)を算定できる。
  個室または陰圧室に入院させた場合は、二類感染症患者療養環境特別加算(300点または200点/日)を併せて算定できる。
(2)療養病棟入院基本料を算定している病棟に入院した場合
 「医療区分3」で取り扱う。(感染症の治療の必要性から隔離室での管理を実施している状態とみなす)
 在宅患者支援療養病床初期加算(350点/日)を算定できる。
(3)療養病床に入院させた場合
 都道府県から受入病床として保健所に申請すれば、一般病床とみなして、一般病棟入院基本料の特別入院基本料を算定できる。
(4)特定入院料等を算定する病棟でコロナ患者の入院を受け入れた場合
 医療法上の病床種別と施設基準上求めている看護配置等により該当する入院基本料を算定できる。(入院料の変更の届出は不要)
(5)地域包括ケア病棟入院料を算定している病棟に入院した場合
 在宅患者支援病床初期加算(300点)を算定できる。
(6)疾患別リハビリテーション料を算定する場合
 二類感染症患者入院診療加算(250点/日)を算定できる。
 なお、地域包括ケア病棟入院料等、疾患別リハビリテーションの点数が包括される特定入院料を届け出ている病棟においても、算定できる。なお、(1)と併算定できる。
(7)コロナの検査の算定について
療養病棟入院基本料や特定入院料等、原則として検査の費用を包括している入院料であっても、コロナの抗原定性やPCR検査等の判断料と実施料は算定できる。
(8)施設基準を満たせなくなった場合の特例
コロナ患者受入れ等により、月平均夜勤時間数等に1割以上の変動等でも変更・辞退届は不要である特例は当面継続となった。(詳細は「2023年4月6日付け事務連絡」を参照) 

 ※その他、ハイリスク妊娠管理加算およびハイリスク分娩管理加算の特例の継続された。また、障害者施設等入院基本料、精神療養病棟入院料、緩和ケア病棟入院料、小児入院医療管理料を算定する患者についても、従前の特例と同様に別の入院料の置き換え等が可能。(詳細は省略)

4.5月8日以降に変更される入院点数の特例

5.入院中の新型コロナ患者の公費に関して

 従前は新型コロナの治療に係る入院料等について、公費併用として治療費や入院時食事療養費等の全額が補助されていたが、5月8日から従前の全額公費補助が廃止され、下記のように自己負担限度額の軽減が新たに導入された。 

入院用レセプトの記載について
(1)入院費用に関する一部補助
 第1公費欄に公費負担者番号「28230704」、受給者番号「9999996」
(2)コロナ治療薬の全額補助
 第2公費欄に公費負担者番号「28230803」、受給者番号「9999996」
「療養の給付」欄の記載例
 70歳未満、3割負担(特記事項欄は「28区ウ」)の患者で、コロナ感染症の入院料等が102,500点、コロナ治療薬が40,000点の場合

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