2006年9月15日

九条守り、子孫に引き継ごう

緑 区  土井 敏彦
 “戦争”がひたひたと近づいて来ている-。戦後生まれの私ですが、書物等で知る“戦争”が近づいている、「今は戦前だ」という感じがだんだん強くなっています。その理由の1つは、有事法制が国会で承認され、国民保護法に基づき、自衛隊参加で名古屋市が保護計画策定なるものを進めていること。2つ目は、愛国心強調、「国のために命を捨てる」子どもを育てる、教育基本法改悪が、企まれていること。愛知県議会は、全会一致で教育基本法「改正」促進の意見書を提出したということです。3つ目は、言論・表現の自由の侵害が、「政治的中立」の名の下に、ますます強くなっていることです。
 3つ目の件では、最近私が直接経験したことで、こんな事がありました。ある公的機関の依頼で、その施設に出かけ、仕事をしていたときのことです。白衣は持参してくれとのことなので、いつも診療で使っている白衣を着ていました。しばらく仕事をしていると、突然施設の職員に物陰に呼ばれました。いままで何回かそこでの仕事の経験はありましたが、こんなことは初めてなので、なにごとかと思っていると、私の白衣につけているものをはずしてくれと言う。それは直径5cm位の丸い「9条バッジ」でした。「平和憲法を守ろう」の文言と、憲法9条の条文が書いてあります。ずっと以前からつけていて、全く意識していなかったものでしたが、言われてみると、そこでは初めてのお披露目でした。
 公務員は憲法99条で憲法遵守義務があり、憲法を守ろうとの意志表示は、何ら偏向思想でもないと反論してもよかった(するべきだったかも)のですが、仕事途中で急いでいたこともあり、その場は指示に従いました。公務員の政治活動が、きびしく規制される世の中ですが、これも、憲法改「正」国民投票への牽制・布石でしょうか。
 私は自衛隊イラク派兵差し止め訴訟の原告になりましたが、その意見陳述書に書いたように、「戦争はしてはならない」「憲法9条を守り、子孫に渡す」ことを願っています。

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