2014年9月19日

最近の世相

天白区 魚住 君枝子
 戦争末期に生まれた世代は、もう決して戦争はしないということを心に誓ってきました。仮に侵略戦争でなかったとしても、戦争自体が許されてはなりません。戦争により勝った方も負けた方も、国土は荒れ、兵士は死に、妻も子も悲しみ、慰安婦も生まれます。強制か自主的かがそんな大きい問題でしょうか。人間としての尊厳が冒されること。それが戦争の罪です。そのことを心から反省して日本は国同士の揉め事は戦争で解決しないと憲法に掲げたのです。人類の理想であり、ノーベル平和賞候補です。日本の誇りである憲法が今危うくなっています。
 特定秘密保護法、集団的自衛権、医療と介護の一括法案など国の根幹にかかわるような法律が、国民を置き去りにして進んでいく今の政治のあり方は独裁に近いと感じてしまいます。第一次の安倍首相は「美しい国」を売り言葉にしましたが、放射能汚染により国は美しいとは言えなくなりました。第二次の安倍首相は積極的平和主義を掲げ、「国民の生命と財産を守る」のが政治の務めと言っています。国民の生命と財産は福祉と医療によって守られるものであり、決して戦争では守られません。
 戦争をしたという罪をきちんと認めることは決して自虐的ではありません。戦争を経験していない世代は、戦争の悲惨さも罪も実感できないでしょう。約70年間も戦争をしないで来られた日本。それは憲法に守られてきたからです。日本はこれからも決して戦争で人を殺しはしないと誇りをもって言えるようになってほしいと思います。

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