2006年1月25日

海外で戦争をする国にさせないために

あいち九条の会代表世話人
あいち医師・歯科医師九条の会代表世話人
山内 一征

 私の名前は、かずゆきと読みます。長男で父親がフィリピンに出征している1945年1月に生まれたために命名されたとのことです。日本国憲法が公布されて60年が経ちます。憲法は、私の人生とほぼ同じ年月を、風雪に耐え一度も改定されることなく凛として日本の国の大黒柱として存在してきました。もう二度と戦争はしないという決意と恒久平和主義の理想を掲げて、戦後の日本は発展してきました。現実的には、日本は憲法と日米安全保障条約という矛盾する2つの柱で動いていますが、常に憲法が優位にあったからこそ、一度も海外で戦争をすることなく今日に至っています。

山内 一征
 近年、米国、財界、多くの政党から改憲の大合唱が起こっています。昨年11月、自民党は「新憲法草案」を採択しました。その特徴は全面的な改憲案ではなく、憲法9条第2項の改悪と96条の改憲手続きの簡略化のみに的を絞ったものになっていることです。9条1項の戦争の放棄は変えず、第2項の戦力の不保持と交戦権の否認を削除して、「自衛軍の保持」を明記し、その「自衛軍」が「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動」に参加するとしています。これは、自衛隊が軍隊として何の制約もなく海外で戦争することができることを意味しています。
 愛知県保険医協会では、2004年6月の「九条の会」のアピールに応えて、同年11月から「守ろう憲法九条」の賛同署名に取り組みました。昨年の10月、755名の賛同を得て「あいち医師・歯科医師九条の会」を発足させました。発足後、新たに100名を超える賛同が寄せられています。今年2月18日(土)には、「憲法のつどい」を開催し、森英樹氏(名古屋大学副学長)の講演と運動の交流を行います。会員の皆様の御参加をお願い致します。
 米国の先制攻撃によるイラク戦争に自衛隊を派遣しても、武力行使ができないのは、9条の偉大な価値を端的に示しています。9条2項を改定して「海外で戦争をする国」にするために、改憲勢力は本気で「国民投票法案」を成立させる動きを強めています。9条を守る運動は、国民の過半数の賛同を得る壮大な運動です。
 「憲法九条、いまこそ旬」
(瀬戸市・開業)

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