通院 中学生まで窓口負担無料化 全市町村が実施へ
保険医協会地域医療部は、2024年4月1日時点での「子ども医療費助成制度」の実施状況を調査し、県内全自治体にあたる54自治体から回答を得た。その結果を報告する。
県基準の早急な 引き上げを
子ども医療費助成制度は、愛知県制度が通院で義務教育就学前まで窓口負担を無料にしているが、県内全自治体が県基準を超えて助成を行っている。入院の県制度は中学校卒業までを対象としているが、県内五十四自治体のうち53自治体(98.1%)が県基準を超えた助成を行っており、県基準の早急な引き上げが求められる。
通院 18歳年度末まで無料が8割強に
通院では、県内で唯一、中学生以上の通院で1割負担を課していた半田市(助成対象は18歳年度末まで)が、2025年4月から自己負担を廃止する。これにより県内全自治体で通院・入院ともに中学校卒業まで無料となる。
また、18歳年度末まで無料で医療が受けられる自治体が、昨年から18自治体増え、45自治体(83.3%)となった。今回拡充したすべての自治体で窓口負担無料となっている。
昨年から引き続き、愛知県内で通院の医療費を18歳年度末まで拡大する動きが大きく前進している。協会ではこの調査結果をもとに未実施の自治体への働きかけを強めていく。
入院 1市を残し 18歳年度末まで無料
入院では、18歳年度末まで窓口負担無料で医療が受けられるのが昨年の49自治体から4自治体増え、53自治体(98.1%)となった。18歳年度末までの対象拡大を行っていない自治体は高浜市のみとなっており、早急な制度拡大を求めたい。
自己負担ありは 大府市のみに
愛知県内では、多くの自治体が所得制限や自己負担を設けずに助成を実施している。昨年度、所得制限を設けている県内自治体はゼロになった。
一方、通院で半田市が2025年4月に自己負担を廃止することにより、自己負担を設けているのは大府市のみとなる。大府市は中学校卒業後に1割の窓口負担を設けており、受診抑制につながりかねない。すべての子どもが等しく医療を受けられるよう、同市には窓口負担の早急な撤廃を求めたい。
入・通院とも18歳 年度末までが主流に
入院・通院ともに18歳年度末まで窓口負担無料で医療を受けられる自治体は、昨年5月以降18自治体増え、45自治体(83.3%)と大きく前進した。親も子どもも安心して医療が受けられるよう医療費助成制度の充実が重要だ。
保険医協会は、愛知県基準の引き上げを求めるとともに、入院・通院ともに全自治体で18歳年度末まで自己負担無料で医療が受けられるように、今後も運動を続けていく。