2022年2月27日

脱炭素社会へ-再エネ中心の 日本を目指そう

(愛知保険医新聞2022年2月25日号)

昨年10月、政府は「第6次エネルギー基本計画」を策定した。2030年度の電源のエネルギー構成として、再生可能エネルギー36~38%、原子力20~22%、石炭19%、LNG20%、石油等2%(化石燃料計41%)等とするものである。しかしこの計画には、いくつかの重大な問題がある。
まず、いまだに原発を20~22%としていることである。11年前、私たちは東京電力福島第一原発事故を経験し、原発は人類と共存できないことを、この時深く胸に刻んだ。核のゴミの処分場は、調査を始めた自治体が現れたが、正式に決まったわけではない。「トイレ無きマンション」状態は変わりない。また、2019年度の電源構成で原発は9%に過ぎない。これを20~22%にするということは、既存原発の多くを再稼働・運転延長、及び新増設をしなければ届かない数値で、暴論というべきものだ。
第2に、化石燃料41%、特にCO2排出が最も多い石炭が19%を占めていることである。昨年八月に公表されたIPCC第6次報告では、地球温暖化の原因は人類が排出した温室効果ガスであることは「疑う余地がない」と断定した。COP26「グラスゴー気候合意」では、2030年までにCO2排出量を2010年比で45%削減、2050年までにゼロにすると決めた。しかし日本はこの目標を下回り、G7の中で唯一「脱石炭」目標を掲げず、石炭火力発電所新設計画をすすめている。政府が推奨する新技術、アンモニア混焼は、アンモニア製造過程でCO2が出る。混焼でもCO2削減はわずか等、問題が多い。CCS(CO2地中注入)は実証試験中だが、長期にわたり漏れ出ない保証がない。
再生可能エネルギーには未来がある。原料はほぼ無限、発電コストも技術開発によりどんどん低下している。発電の不安定さは揚水発電、蓄電技術、連携運営等で克服可能である。再エネ発電事業は多くの雇用を生み出し、地域経済も活性化する。それは再エネ普及を進めてきたドイツやデンマークのGDP成長を見ても明らかだ。
私たちが望む姿は、原発や石炭火力と決別し、再生可能エネルギーの普及で脱炭素をすすめる日本である。もちろん省エネも可能な限り追求しなければならないし、私たちはその努力を惜しまない。政府は、企業の利益優先でなく人間・環境優先のエネルギー政策に、今こそ転換すべきである。

ページ
トップ