2019年9月28日

消費税10%増税-増税中止こそ最大の景気対策

(愛知保険医新聞2019年9月25日号)

保団連、愛知県保険医協会は、「10月消費税10%ストップ!」を合い言葉に、増税を中止させるべく活動を行ってきた。しかし、運動の甲斐なく、この10月いよいよ消費税が10%に引き上げられようとしている。
2%の消費税増税で見込まれる税収増は5兆円と政府は試算している。2014年に消費税が8%に引き上げられた際、経済が大きく落ち込んだ反省から、キャッシュレスでのポイント還元や所得の低い方や子育て世帯を対象としたプレミアム商品券の発行、住宅・自動車の購入に対する駆け込み需要・反動減を回避するための支援措置など約2兆円の経済対策を行うという。はたして、これらの経済対策で景気の落ち込みは回避できるのであろうか。
考えていただきたい。5兆円の税収増ということは、国民全体で消費に回すお金が5兆円少なくなるということである。国民一人で考えれば1年間に約42,000円、買い物ができなくなることになる。いくら経済対策をしたとしても、使えるお金が少なくなるのであるからその効果には限界がある。つまり、必ず一般消費は低迷し景気は落ち込むことになるということである。
今日本は1,000兆円もの財政赤字を抱えている。また少子高齢化にともなう社会保障費の増大という問題も抱えている。それを解消するために消費税増税なのだというのが政府の理論である。確かに一時的には税収は上がる。しかし、景気の低迷は避けられない。ひいては税収も落ち込んでいくことになりはしないのであろうか。
国民全体が生み出す総所得の中、国民と国がそれを分配し合っている。国が消費税などで国民の活動する費用を減らしてしまえば、その総所得が少なくなっていく。まず、景気を浮揚させ、総所得をあげることが必要なのではないだろうか。国民の総所得があがれば、自然と税収は増えていく。財政赤字、少子高齢化にともなう社会保障費のためにも税収を増やさなければならない。
内部留保をため続ける大企業、将来の不安のために貯蓄に励む国民。お金が回らない現状が国を貧しくしている。その中で消費税は消費を低迷させ、将来的に税収を減らす最大の元凶である。これからも消費税減税、ひいては消費税廃止を訴え続けていきたい。

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