2024年4月18日

診療報酬の引き上げと患者負担増の中止を求める決議

2024年6月の診療報酬改定は、新型コロナの影響や物価上昇と賃上げによる人材確保などに対応するとともに、医療崩壊をくい止め、診療報酬の改善と医療の質の維持・向上を図ることが求められていた。しかし、改定財源は十分確保されず、今回の改定内容はネット(全体)で-0.12%と6回連続のマイナスとなった。
 改定内容は、政府がすすめる医療DXや後発医薬品の使用促進などの点数が新設され引き上げられる一方で、生活習慣病を中心とした管理料・処方箋料の等の効率化・適正化、長期処方やリフィル処方の推進など、医師の診察を軽視し診療報酬上の評価を引き下げるものとなっている。また、高齢者を入院病床から追い出し、患者負担増による入院時食事療養費の引き上げや長期収載医薬品の保険給付縮小による負担増など、医療現場が直面している問題や矛盾を無視し、患者を医療から遠ざけて医療費を抑制するものであり、このままでは必要な医療提供が困難になるのは必至である。
愛知県保険医協会医科新点数説明会の参加者は、医療費総枠の拡大による診療報酬の大幅引き上げと患者負担増の中止を強く求め、以下の事項を要望するものである。

1.すべての医療機関の医療従事者の賃金を引き上げや諸物価の高騰への対応、診療報酬の不合理を改善できるよう、初・再診料をはじめ診療報酬を大幅に引き上げること。
2.特定疾患療養管理料の対象から糖尿病、高血圧症、脂質異常症を除外することはやめること。生活習慣病管理料と外来管理加算の併算定を認めること。
3.医薬品の供給不足を無視した後発医薬品の使用促進はやめること。国の責任で医薬品の安定供給を行うこと。
4.オンライン資格確認、オンライン請求の義務化方針を撤回すること。
5.医療現場のトラブルを無視した強引なマイナ保険証による資格確認の推進をやめること。医療機関と患者・国民に混乱をもたらす現行の健康保険証廃止の閣議決定を撤回し、健康保険証を存続させること。
6.長期収載品の選定療養の導入、老健施設・介護医療院の多床室の負担増など、医療・介護の負担増は行わないこと。

2024年3月27日・30日・31日 愛知県保険医協会医科新点数説明会

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