2022年7月22日

原発9基再稼働の方針に抗議する

愛知県保険医協会は、岸田首相の原発9基再稼働に抗議する理事長声明を岸田首相と萩生田経産相あてに提出しました。

(2022年7月22日)
愛知県保険医協会 理事長 荻野高敏

岸田首相が、7月14日の会見で今冬に最大9基の原子力発電所を再稼働させる方針を表明したことに抗議する。
福島第一原発事故を経て、事故原因の究明や安全対策も不十分な中、電力需給逼迫の懸念への対応として原発を再稼働することは許されない。
政府は、原発による電力供給を推進する理由に「安価」を挙げるが、福島第1原発事故の事故処理費用は少なくとも11兆円といわれている。今回の首相会見の前日の13日には東京電力福島第1原発事故をめぐり東京電力の元役員4人に13兆円の賠償を命じた東京地裁判決が出され、原発稼働がいかに重大な責任を伴うものかということを示す司法判断が出たばかりで、到底安価とはいえない。
また、原発による電力供給が「安定的」だとも強調しているが、関西電力高浜原発3号機では、3月1日に開始した定期検査中に配管破損が見つかった。国内の原発の運転年数は平均で30年を超えており、同様の破損が発生し、原発が停止する可能性は今後ますます高まり、安定的とはいえない。
さらに、核のゴミの処分については何ら対策が示されていない。このままの原発再稼働を行うことなど到底許さるものではない。
国は原発を主力電源と位置づけてきたため、九州電力管内では再エネ発電量が過剰になると、太陽光や風力で発電された電力を送電網への接続から外す出力抑制が何度も行われてきた。「エネルギー供給の安定」をいうのであれば、100%国産の再生可能エネルギー、省エネルギーへの取り組みこそ強力に進めるべきである。
私たちは、医師・歯科医師の団体として、安全・安心の確保がされない原発再稼働には反対する。

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