2020年度の指導方針(1)

新型コロナウイルスの影響で 指導の実施は8月以降

 今年度の東海北陸厚生局指導監査課の指導対象保険医療機関等選定委員会は、3月24日(火)に開催され指導計画等は既に決定しているが、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて、新規開業医の個別指導も含め全ての指導が今年度はまだ実施されていない。今のところ7月までは実施を見合わせるとしている。また、集団的個別指導や指定更新時の集団指導についても、開催方法なども含め検討中のようだ。
 協会では6月17日に、東海北陸厚生局に2020年度の指導等に関する行政文書の開示請求を行っており、開示され次第、保険医新聞で掲載していく。

 東海北陸厚生局指導監査課のホームページでは、今年度の集団的個別指導と個別指導の選定で用いるレセプト1件当たりの平均点数を公開している。今年度の指導選定で用いられる平均点数は表のとおりである。前年度と比較すると、診療所の内科(人工透析有を除く・在宅以外)、内科(人工透析有)、精神・神経科、泌尿器科、歯科医療機関を除いた他の診療科区分では平均点数がプラスとなっている。しかし2年前と比べると、ほとんどの診療科区分で平均点数が下がっており、マイナス傾向が続いていると言える。
 集団的個別指導は、各医療機関の前年のレセプト1件当たり平均点数が、表の右欄にある診療科区分ごとの基準点数(病院は平均点数の1・1倍、医科診療所と歯科医療機関は平均点数の1・2倍)を超え、かつ上位8%に該当する場合に対象となる。
また高点数理由による個別指導は、前々年に集団的個別指導を受けた医療機関のうち前年の平均点数が診療科区分ごとの基準点数を超え、かつ上位4%に該当する場合に対象となる。ただし個別指導は、情報提供や再指導による個別指導が優先されるため、実際の高点数理由による個別指導実施件数は、毎年対象医療機関の4割程度である。
 なお、集団的個別指導・個別指導は、前年・前々年に集団的個別指導または個別指導を受けた医療機関は選定対象から除かれる。
 個々の医療機関の平均点数については、東海北陸厚生局指導監査課に照会すると開示される。その場合は、保険医療機関名とコード、照会者(管理者)の氏名と生年月日、電話番号を伝え、一旦電話を切った後に当局から電話が入り、平均点数を知ることができる。
協会では、懇切丁寧な指導や持参物の軽減などの改善とともに、高点数理由による集団的個別指導・個別指導の廃止を求め運動している。また指導相談や帯同する弁護士の紹介も行っているのでご利用いただきたい。
 

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